風街角

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2014年 01月 15日

冬の記憶

数年ほど前の話になりますが、その頃、わたしは巨樹に魅せられていました。
人知れず深い森の奥に佇み、数百年もの人知を超える営みを続ける巨樹という存在に
崇高なものを感じて訪ね歩いていました。

身近な場所にある巨樹から探し始めて行くうちに奥多摩にはたくさんの巨樹があること
また、たくさんのバリエーションルートと呼ばれる山道があることを知りました。
それを知ってからというもの、毎週のように奥多摩の森を徘徊したものです。

しかし、一人では限度がありました。
そんな時、日原森林館を拠点にして森を歩く人たちと出逢いました。
日原の知られざる巨樹・巨木を探求しているスペシャリストたちです。

それからの2年間は、何度も巨樹探しに同行させていただきました。
“日原探検隊”と自らを名乗って、数々の巨樹に逢いに行った日々…
素晴らしい日々でした。今も、巨樹の姿と共に忘れることはありません。

いつの日か、あの巨樹たちにもう一度巡り合う日を願い、そして、まだ見ぬ巨樹たちに
逢いに行く日を今でも夢見ています。
そんな思い出の山行の中から、真冬の森に遊んだ記憶を写真と共に綴ってみたいと思います。

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数日前に降った雪が、木々を縁どり、朝日に際立っていました。

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山間の小さな湖は、エメラルド色の湖面に青空と白い山肌とを映しています。

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渓谷の狭間に見える奥多摩の山並みはうっすらと雪化粧をしていました。

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まるで粉砂糖をまぶしたようで、小さなクリスマスツリーがたくさん並んでいるようで
とっても綺麗です。もう、それだけでウキウキするのでした。

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日原の森林館の前で落ち合うと、ウソがやってきて桜の新芽を啄み始めました。
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フィー、フィーと口笛を吹くような鳴き声、柔らかな桜の花のような胸の色
紅色の頬が愛らしい、アカウソのようでした。

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夢中で撮っていると、友人が望遠レンズを貸してくれました。
それをわたしのカメラに装着して撮ると、「うわぁ~♪すごい!!」
まるで、嘘のようなクリアな写真が撮れました。一枚一枚の羽毛まで写ってます!

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友人の案内について登って行く山道は、キーンと張りつめた寒気で凍てついていましたが、
やがて朝日が射しこむと、木立ちに縁どられたスクリーンのようでした。
雪が積もった白い木々は、いよいよ白く輝き、梢に降り積もった雪は太陽の熱で溶けて、
パラパラと粉雪のように降って来て、光にキラキラ輝くのでした。

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こんな景色を見ているだけでしあわせです。
やがて、尾根の下部にでて、植林の森が終ります。ここからは落葉樹の開けた森です。

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かなりな急勾配を、息を切らせて登って行きます。足元では凍りついた落ち葉がザクザクいいます。
ほどなくして、高度が上ると谷を挟んだ向かいの山が木々の間越しに浮かび上がります。

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尾根に出ると雪がだいぶ残っていて雪に足が潜る感触に嬉しくなります。
雪の中から覗く、毬栗や落ち葉、秋の忘れ物ですね。

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木々の樹肌には、ザラメになった雪が残っていて、とても綺麗です。

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誰の足跡もない雪の尾根道をザクザクと

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だんだんとブナやミズナラやカエデなどの巨樹エリアへと入ってきました。

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ブナの梢が美しくてうっとり

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逞しいミズナラの巨木たち

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ミズメの巨木も、雪のエンブレムを付けているみたい。

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囀りに梢を見上げれば、エナガがやって来ました。

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林の奥には、茶色の羽根に鮮やかな青い風切羽のカケス君

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ミズナラの幹には、ゴジュウカラが、行ったり来たりせわしなく動いています。

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白ブナの幹を見れば地衣類が…厳冬期の森の中にも小さな命が息づいているのです。

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そして、荒ぶる風の斜面には、その風に立ち向かうかのようなブナの巨樹が佇んでいました。

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すらりと真っ直ぐに伸びた樹形のブナが多い中で、このブナはどっしりと根を張り
武骨なまでに筋肉質な太い幹をしている。そして、横に伸ばした幹をねじり上げるように
天空へと伸ばしています。まるで揺らめく炎のような樹形だと思いました。

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そして、その太い幹は、大きな雨露になっていました。

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おそらく、風吹きすさぶこの急斜面で生きるために、この形を選んだのでしょう。
わたしたちは、その偉大なる巨樹に圧倒され、そしてその生きざまに深く感動したのでした。
友人が“風神のブナ”と名付けた理由が分かる気がしました。
このブナに、逢わせてくれた友人に感謝して、わたしたちは風神のブナに別れを告げました。

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あれ以来、風神のブナに逢っていません。こんな寒い冬の日は、特に逢いに行きたくなります。
生きとし生ける場所で、懸命に生き続ける森の神のようなあのブナに…

ブナの幹からたくさんの小さな氷柱が下がっていました。
透き通った氷柱は、青空の色を滲ませて薄青く、午後の陽射しをその中に閉じ込めたように
輝いていました。

あの氷柱の美しさを今も忘れられずにいます。
そんな想いをデジブックにしてみました。
デジブックは下の別記事なります。↓
ヴィヴァルディの四季 冬 第二楽章のBGMに乗せて。 よろしかったらご覧ください。





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by kazematikado | 2014-01-15 17:37 | 山と森 | Comments(6)
Commented by Crescent at 2014-01-16 12:32 x
こんにちは。
無骨でありながら凛とした冬の森、いいですね。まるで
骨格のようなミズナラもこの時季ならではの表情で素敵
です。
ウソが素晴らしいです。今冬はこちらの森でもまだ未見
なので、渡ってきていないのでは、と心配しています。
撮影機会の少ないゴジュウカラもナイスショットですね。
バイオリンのピチカートが画像とピッタリはまったデジ
ブック。こちらも秀作だと思います。
Commented by hidamari at 2014-01-16 16:41 x
私も昨年一緒に歩いた巨樹の旅、想い出します。
道なき道を1人どんどん進むお姉ちゃん!
みんなでビックリするやら尊敬するやら・・・・・・。
でも大きな幹に抱きつく幸せはお姉ちゃんのおかげです♡
Commented by sizuku at 2014-01-16 18:20 x
Crescentさん、嬉しいコメントありがとうございます。
一枚目の写真、なんとなくCrescentさんのお写真に似ていませんか?
尊敬しているとアングルとか無意識で似てくるのかもしれません。
写真の美しさや感性は、到底敵いませんけれどね(^^)
わたしも何故か冬の森が好きです。木々の本当の美しさが見えてくるからかもしれません。
そして、あのからりとした明るさ、空の青さが好きです。
そんな見晴らしの良い森で、クマタカに遭遇したのもこの森です。

ウソは、レンズのお蔭で、わたしにしてはびっくりするほどクリアな写真になりました。
やっぱり、高価な明るいレンズは良いですね~♪
今季、まだウソが現れませんか?それは心配ですよね。
桜の花芽を食べると目の敵にしている所もあるそうですけれど、ウソに罪はありませんよね。
デジブックもご覧いただいてありがとうございます。
この前の「森に還る」と「水無月の森」と「森羅万象」は、全て日原の森なんです。
日原シリーズを季節ごとに作ってみたいです(^^)
Commented by sizuku at 2014-01-16 18:28 x
ひだまりちゃん、コメントありがとう(^^)
そうだね、昨年、一緒にカツラさんに逢いに行ったよね。
日原には、たくさんの巨樹があって、また、みんなとあんな風に訪ねてみたいです。
そんなに標高は高くないけれど、豊かな森がいっぱいあります。
そうそう、今回の女子会でも、大きなミズナラやシオジ、トチノキに逢えると思います(^^)
ひだまりちゃん、東京に来てたのね!!今度来る時、良かったら連絡して~(^_-)都合が付けば飛んでいくよん(^^)v
Commented by ますたしゅ at 2014-01-17 11:56 x
こんにちは。
そして大変ご無沙汰しております。
いつの間にか、エキサイトブログにお引越しをしていたのですね。
これからも頑張ってブログの運営を続けて行ってくださいね。
陰ながら応援していますよ。
Commented by kazematikado at 2014-01-17 18:47
ますたしゅさん、お越しくださってありがとうございます。
そうなんです、お引越ししてしまいました^_^;
同じF2Cではなくなってしまいますが、こちらでもどうぞよろしくお願いいたします。
わたしもご無沙汰ばかりですが、ますたしゅさんの素晴らしいカメラワークにはいつも感動させていただいています。
わたしも、ますたしゅさんのブログ応援させてくださいね。
(sizuku)


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