2014年 10月 10日
良く手入れされた杉の樹林帯も美しいですが、やはり広葉樹の森は明るくて良いですね。 まだまだ緑が眩しいですが、あと1ヶ月もすれば見事な紅葉となることでしょう。 ロックガーデンの入り口にある天狗岩、鎖が付いていて誰でも登ることが出来ますが、ちょっとスリリング。 狭い頂きには、カラス天狗の銅像が立っています。下からでも見えますね。 木々の間に見え隠れして岩のてっぺんに立っている小さな像が映っていますが、この写真で判りますか? ここから少し下ると浅い渓流に出逢います。ここからがロックガーデンです。 苔生した倒木の間を、細い流れが山肌を伝います。陽が差してきらきら~♪ 川床の石が見えるくらい浅いのですが、とても澄んだ流れです。 木洩れ日が射しこんで、川面に反射して目映く輝きます。 こんな光景に逢うと、わたしは撮らずにはいられなくなるんです(笑) ここで、昼食となりました。せせらぎの音を聞きながらの山ごはん。 みなさん、めいめいに手弁当ですが、楽しい時間です。 岩の上に置かれた紅い実が目に留まります。「何の実だろう?」と、みなさん、興味津々 講師のKさんにお聞きしたら、ウラジロナナカマドと判明しました。でも、周りにはそれらしき樹はありません。 わたしは、御岳にもウラジロナナカマドがあるんだ!とちょっと驚きです。いままで気づかなかったなぁ… 苔生した岩と清流とが、緑の森と美しいハーモニーを奏でます。 だれかが、『まるで奥入瀬のようだわ。御岳にもこんな良いところがあったのね。』とつぶやいていました。 このロックガーデンは、昭和10年に作られたのだそうです。その当時作られた飛び石の橋です。↓ 『当時、これだけの石を運ぶのは大変だったと思う。平らで安定していて、景観にマッチしていて本当に素晴らしい 少しだけ欠けた石があるけれど、これに代わるような大岩は、おそらく見つからないだろうとKさんはおっしゃいました。 そう伺って、今まで自然にあるものだと思い込んで、少しも気に留めていなかった飛び石の橋を改めて見ました。 そう言われてみれば、実に巧みに配置された飛び石や、切り開かれた岩場などが他にもたくさんあることに気づきます。 このロックガーデンを整備した人々の後世に残すための知られざる想いや大変な労力を垣間見た気がしました。 シロヨメナの花が咲き始めました。秋ですね。 キノコもそこここに… 今年も晩夏の花、フシグロセンノウに逢えました。咲いていてくれてありがとう…と心の中でつぶやきます。 鮮やかなオレンジの花色が、少し薄暗い森の中に咲いていると、パッと目を引きます。 鮮やかなんだけれど、そのシンプルで楚々とした花姿のためか、どこかひっそりと控えめな雰囲気があって好きな花です。 どこからともなく、カツラの樹のあまい香りが漂ってきました。 奥多摩では、カツラの樹を別名、醤油の樹と言います。香ばしいお醤油の焦げるような香りがするからです。 ただ、これは個人差があって、カラメルシロップのような甘い香りがすると感じる人もいます。 わたしは、お醤油派ですが、あなたはどちらでしょう? カツラは、割りと早く黄葉し散って行きます。 ほんのりと色付きはじめ、気の早い葉は、枝を離れ、渓谷の苔の上に舞い降りました。 まだまだ緑の楓たち。青々とした葉の結葉を青紅葉(あおもみじ)といいます。 赤く色づいたモミジはとても美しいのですが、青紅葉にも捨てがたい美しさがあって好きです。 Kさんが、『わたしは、この倒木と奥の流れを望む景色がこのロックガーデンのビューポイントだと思っています。』と紹介されました。 見ると、わたしも来る度にカメラを向ける場所でした。 研修生仲間のKさん、何だか気配を消して森の一部に同化してますね(笑) やがて、綾広の滝に出ました。御岳山の神職に着く人は、真冬にこの滝で禊をするのだとか。 宿坊に泊まり滝行の体験ツアーも近年、行われているようです。 かつての滝は、この場所↑ではなかったそうです。 その証拠として、こちらの岩に当時の流れの様子が刻み込まれているそうです。 確かに、こちらの方が高さも、横幅もあり、かなり豪快な滝だったことが伺えます。 何故、流れが変わってしまったのか、Kさんにも判らないそうです。 へぇ~!なんかミステリー!!と思ったのはわたしだけでしょうか? そして、この岩場の横には、カツラの巨樹(お浜のカツラ)が佇んでいます。 とても樹高があり、枝を大きく広げた見事な巨樹です。 普通、カツラはヒコバエが大きく成長すると主幹は折れてしまったりするのですが、この樹の樹勢は 大勢で立派です。 下にいる人と比べるとこの樹の大きさが判っていただけるかと思います。 綾広の滝からは少し上り返して、なだらかな登山道を神社方面へと戻ります。 途中、とっても美味しい岩清水があります。小さな支流を橋で渡ると、斜面に楓とケヤキの巨木が現れます。 平地に立つ樹と違い、斜面に生育した樹は、その環境に適応して光を求めた結果、様々な樹形に育ちます。 それが巨木や巨樹ともなると、大変逞しく、味わいある樹形になるのです。 Kさんは、『いつも、この樹を見ると、どうしてこういう樹形になったのか知りたいと思うんだよね。』 と、こう言うことを、ガイドの解説の中に付けくわえたりして、オリジナルなガイドを心がけると教えてくださいました。 実は、巨樹好きなものですから、わたしもこのイタヤカエデの身をくねらすような樹形が気になっていました。 講師のKさんと同じ目線だった事が、ちょっと嬉しかったです。 隣にある、このケヤキも素晴らしい樹形の巨木です。 昔は、この岩に隠れて狩猟をしたそうです。 ジャコウソウ。この花は麝香のような良い香りがするので、この名前が付いたそうです。 ヤマジノホトトギス 「天狗の腰掛杉」に着きました。あの曲がった枝に天狗が座ったと言い伝えられているそうです。 ここには、貯水漕があり、開けて見晴らしが良いです。 中央の一番手前の低い山が、鳩ノ巣の城山(じょうやま)その奥に聳えるどっしりとした山容が本仁多山 その後ろに連なる山は、本仁多山の向かって右側が雲取山、左が川苔山、その奥に見えるのが鷹巣山だそうです。 そして、ここから始まるのが「神苑の森」と言われる森を歩くことが出来る新しい道です。 「神苑の森」とは、文字通り、御岳神社の神域で、「不伐の森」なのだそうです。 いままで神聖な森として、一般は入ることのできない場所でした。 近年、御岳ビジターセンターが神社の許可を受けて、一部通過できるように新しく道を整備されたそうです。 不伐の森として、木を切ることが許されない森は、ところどころに巨木が立ち並ぶ広葉樹の森でした。 えーと、杖などにする固い樹、ハリギリで良かったかしら? 名前を忘れました?^_^;どなたか教えてください<m(__)m> 『ここからは、紅い実ロードになります。』Kさんの言う通り、しばらくの間ミヤマシキミの赤い実が続きます。 ミヤマシキミは、一年中、花と実が一緒に見られる不思議な樹だそうです。 良く整備された素敵な道です。錦秋の頃訪れてみたいです。 いちはやく、ヒトツバカエデ(マルバカエデ)が色付きはじめました。 紅く見えるのは、ツタウルシの紅葉です。 そして、コハウチワカエデの色付きです。 トチノキの巨樹です。とっても立派な樹です。 そして、ケーブル駅の近くに飛び出しました。 ここからは県境尾根の山々が望めます。 手前の本仁田山の、右奥の3つ頂がある山が、天目山です。 シラネセンキュウ アザミの花も、薄紫の花を付け始めました。 苔も奥が深くて名前は判らないのですが、最近、ちょっと興味があります。 ホタルブクロの最後の花かな? 秋海棠の蕾が可愛いです。 やっぱり、トリカブトをもう一度、撮ってしまいました。 零れるような萩の花… 紫の色変りがあるので、ノダケで良いのでしょうか? ススキの穂は、なんとも美しい秋の風情です。 草生した茅葺屋根の宿坊 色の水引です。 秋明菊が、毎年咲く宿坊。 ミヤマアキギリ 鮮やかな萩の花、初秋の佇まいが好きです。葉の上に白い珠の様な朝露の降りた様も素敵です。 ヤクシソウも咲き始めました。 奥の院の円錐形の山容も見納めです。 モミの巨木 山頂駅の茶屋で、ちょっと休憩&懇親会の後、もう少し歩きたい研修生6名は、 ケーブルを使わずに表参道を降りたのでした。 大きな杉の巨木が立ち並ぶ、なかなか快適な道でした。 講師のKさん、先輩ガイドさん、研修生のみなさん。大変お世話になりありがとうございました。 今日は、新しい「神苑の森」を歩けてとても素晴らしく、大変有意義な一日でした。 ガイドウォーク、次回は、いよいよ登山です。 大変長くなりました。最後までお付き合いくださったみなさま、ありがとうございました<m(__)m>
by kazematikado
| 2014-10-10 01:41
| 山と森
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