新年、初歩きは1月6日の倉沢谷周遊でしたが、初登山は、翌7日の本仁田山(1224m)でした。
昨年から研修を積んだ大多摩観光ガイド。いよいよ、今年3月よりデビューします。
1月から3月までは、その実地研修があります。最初のイベントは1月24日の本仁田山登山になります。
その下見登山ということで、先輩ガイドさんに教えていただきながらの初登山でした。
朝、8時30分、奥多摩駅集合。先輩ガイド4名、新人ガイド5名の参加でした。
今日も晴れ~☀ 天気予報は大寒波で強風が吹いて寒くなるとのことでしたが、意外に暖かく穏やかな朝でした。
昨日の雨の影響で、凍結も心配されます。
先輩ガイドのみなさんは、まず、奥多摩ビジターセンターに立ち寄り情報収集です。(さすがですね)
今回のコースは登りは南斜面ですので、凍結の心配は大丈夫だろうとの事でしたが、北側下山道の情報収集です。
その結果、凍結の心配は無いとの事でしたが、もし、イベント当日に凍結がある場合は、南斜面のピストンもあり得ます。
なるほど、いろいろな場合を想定しての地形の下見(コースタイムの把握)は必要ですね。
この本仁田山は、奥多摩駅裏側に聳えるどっしりとした山容の山です。
本仁田山から、奥多摩の名峰川苔山(1363m)さらには奥多摩と奥秩父とを分ける県境尾根へと続きます。
奥多摩の西の外れ日原から望むと、秀麗な独立峰に見え、日原富士の異名を持つ山でもあります。
さらに、大多摩観光で選出した"奥多摩30座"の中の一峰でもあります。
そして、奥多摩三大急登と呼ばれる登山道の一つとされる大休場(オオヤスンバ)尾根を有しています。
奥多摩駅からのコースは、この大休場尾根を一気に直登するコースです。
ずっと以前、川苔山(カワノリヤマ)からの下山道として、今回の下山道の杉ノ殿尾根を
歩いた事がありますが、大休場尾根を登るのは初めての経験でした。しばらくは車道歩きが続きます。
林道を登り上げ、ワサビ田などが点在する森を抜けるとぽっかりと開けた場所にでます。
そして、陽射しが燦々と降り注ぐ一軒の民家があります。
このお宅の脇から、登山道が始まっていました。
歩き始めからスギ林の中の急登が始まります。
途中、乳房観音への標識があり、脇道に反れてお参りすることになりました。
乳房観音の由来についての立札によると、鎌倉時代の1230年に鎌倉の落人が
この地に住み着き、持参した銀杏の実を蒔いたと書かれていました。
北条氏が執権として君臨し始めたのが1224年だそうですから、
この地に住みついた落人とは、源氏の子孫でしょうか?
その人がもたらした銀杏の実とは、もしかしたら鶴岡八幡宮の大銀杏だったりして?
なーんて想像すると楽しくなります。
その実から芽生えた銀杏が約600年の歳月を経て幹回り10mもの立派な巨樹に成長し、
幹からは2mもの気根(乳根)が垂れ下がり、人々は観音様を祀り、母乳豊饒の願をかけたそうです。
銀杏が芽吹いた1230年〈鎌倉時代後期)から600年の経過は、
日本で言えば黒船が来航した江戸末期、世界ではフランス革命が起った頃になります。
銀杏の木はそれだけの年月を生き続け見続けてきたことになります。
そして樹齢が尽きた大正2年(1913年)(樹齢683年)に伐採され、
その後に芽生えた2本の若木が育ち、現在のこの巨木(樹齢101年)になったそうです。
その幹には、小さな気根(乳根)が出来ていました。
乳房観音は、現代では乳癌平癒などの願懸けの篤い信仰も集めているのだそうです。
こんな謂れを知るのも楽しいものです。
メンバーからは銀杏の雄木・雌木の見分け方などのお話しも出ました。
さて、乳房観音を後にして、杉木立の中の登山道をグングン登って行きます。
杉の植林帯の中にも、ところどころに広葉樹の巨木が残されています。
直登なので、一気に標高をあげて行きます。
振り返ると石尾根の六ツ石山に続く最後のピーク三ノ木戸山が大きく聳えていました。
植林帯を抜けると今度は広葉樹の森へ分け入ります。
大休場尾根に出ました。
ここで、大休止ではなく小休止です。
冬木立の向こうに鷹巣山も見えています。
そして、木の枝で判りづらいですが、白く雪を被った雲取山も見えています。
まだまだ、急登は続きます。
マイナールートの花折戸尾根が合流します。
大多摩観光ガイドのルートは、昭文社の地図で破線ルートは使わないと言う規則なので
かなりキツイという、このコースを歩くことはないとの事でした。
やっと、向かいの尾根が見えて来ました。最後のひと登りで頂上です。
三角点のある狭い頂上ですが、見晴らしが良いです。
振り返ると樹幹に秀麗な富士山が望めます。
こんなに美しい富士山が望めるとは思いも寄りませんでした。
日原富士と呼ばれる本仁田山は、本物の富士山を望む山だったのですね。
CT通り、12時到着です。陽射しが温もる木立ちの中で昼食です(^^)v
遠く筑波山も望めますし、一際高くそびえるスカイツリーも見えています。
三つの尖がり山、天目山(三ツドッケ山)が良く見えます。
その隣のピークは蕎麦粒山
県境尾根の連なり…いつかはあの尾根を歩いてみたい。
燦々と陽の当たる頂上は大変心地よい場所でした。
コブタカ山の山頂
ここで鳩ノ巣から急勾配の杉ノ殿尾根を登って来られた
東京都自然公園サポートレンジャーの方々にお逢いしました。
毎週のように、山に入られ登山道の監視と管理作業をなさっているとの事
登山道の整備から標識の設置など、登山者の安全を守るために日々努力されている方々が
いらっしゃることを知りました。頭が下がる思いです。
広い防火帯の尾根を下ります。ここは以前歩いているので覚えのある道でした。
先輩ガイドの方々は、この標識が現れる度に、コースタイムの記録と携帯電話が繋がるか
どうかを調べていました。これは、万が一事故等があった場合、どこまで戻れば(行けば)
携帯電話が繋がるかの目安になるのだそうです。なるほどと感心しました。
ここからは杉の植林帯の下りになります。
大根山の神の祠のある広場
大根山の神
樫の木の大木
だんだんと鳩ノ巣駅が近づいてきました。
無事、午後3時過ぎに鳩ノ巣駅到着しました。
先輩ガイドのみなさんと"山鳩"にて反省会&親睦会
本番は24日(土)になります。
先輩ガイドのみなさま、新人ガイドのみなさん、楽しい1日でした。
お蔭様で無事に歩き通すことが出来ました。ありがとうございました<m(__)m>