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風街角

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2015年 06月 06日

新宿御苑 回想編

友人の写真展の帰りに新宿御苑を散策しました。
園内はとっても広く、静寂そのもの。緑に溢れていました。巨樹もたくさんあります。
副都心新宿、都会の真ん中に、こんなに自然が色濃く残っているのが不思議です。


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                        銀杏の巨樹



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                      ヒマラヤスギの巨樹
  

              
新宿御苑は、ずーっと昔、18歳の時、1度だけ来たことがあります。
高校時代の同級生のM君に誘われての、初めてのデート、季節は冬でした。
スズカケの木の下を通りながら、
『スズカケの木って、ほら、実が鈴を懸けたみたいになっているでしょう』

「ほんとうだ、鈴みたい、2つづつ、下がっていてかわいいね~。」

『前に読んだ本の中に、鈴懸の木の下で、少女が橋に腰かけて、流れに足を浸している…って場面があってね。
それで名前を覚えたんだ。鈴懸の木ってどんな木かなぁって思ってね。』

「M君って、詩人なんだね。すごく素敵な場面が目に浮かぶね!」

『それで、最初にここに来た時、鈴懸の木を探したら、ああ、この樹かぁって。
でも、夏だったから実は無かったんだ。秋に来てやっと鈴懸の意味が分かったんだよ。』



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           プラタナスの並木道、あの時歩いたのはここだったのだろうか?
               
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高校3年生の時のクラスメートで、わたしの前の席に座っていたM君。
ちょっとひょうきんな感じで、ビートルズみたいなマッシュルームカット。いつも友達と楽しげに話していたな。
わたしは、その頃、弓道一直線(笑)で、周りが全然見えてなくて、クラスメートとはあまり関わりを持っていませんでした。
授業が終わると、まっすぐに弓道場に直行していたし…弓道三昧な日々でした。
そのわりにひ弱で、時々、体調を崩して学校を休むことがありました。
高3の冬、急性胃炎で、5日ほど休んで登校すると、M君が、ノートを貸してくれました。
『休んでいたから、ノートとっておいたよ。』と、さりげなく。
わたしは、びっくりして、でもありがたく貸して貰いました。判りやすい綺麗な字だったな...


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                  スズカケノキ(プラタナス)


新宿御苑を歩いて、そのあと当時流行だったJAZZ喫茶へ、新宿ルノワールでお茶したんだったなぁ。
ちょっと背伸びした二人。間違って2階の同伴席に入っちゃって、どぎまぎして慌てて出てきたっけ。
そんな甘酸っぱい記憶を辿ってみても、どの辺りを歩いたのかさえ、さっぱり思い出せませんでした。
ただ、覚えているのは、鈴懸の木と、室生犀星の詩の話。M君はやっぱり詩人だったのでしょう。
その後、一度も逢っていないけれど、今頃、どうしているのでしょうか?
古いアルバムを開いても、消息を知る由もありません。

それっきり、訪れることもなかった新宿御苑は、都会の中のオアシスみたいな場所でした。
古い、どーでもいいようなお話でしたね。すみません^_^; お後は、写真で綴ることにします。



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      モミジバスズカケノキ、たぶん、あの日見上げたのはこの樹だったと思います。






滴り止まぬ 陽の光

うつうつまわる 水車

青空に 越後の山も見ゆるぞ

一日 野に出でで もの言わず

今は はや しんに寂しいぞ


この詩を好きだと言っていたね。なぜかいまでも空で言えます。







by kazematikado | 2015-06-06 00:26 | 公園


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