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風街角

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2016年 02月 09日

写真集が届きました

一昨日、先月からずっとこの日を待っていた、いがりまさし先生の写真集が届きました。
「草と木の組曲」 この写真集と同時リリースされたCD 「名もなき旋律」 とのセットでの先行予約させていただいていたのでした。


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「草と木の組曲」と題された写真集

    野の花のメヌエット
    こもれびのアルマンド
    
植物写真家であり、音楽家であるいがり先生らしい写真集の名前だなと思いました。
なんと、20年ぶりに作られた写真集だそうです。
先生にとっての最初の写真集は、1995年に出版された「野の花の小径」とその翌年の「風のけはい」だそうです。
それから20年、写真集という形で出版されていらっしゃらなかったことに少なからず驚きました。

先生の「あとがき」を読ませていただいて、なんとなく納得したのでした。
“ある観察会で、初版の写真集「野の花の小径」の新品を出してサインをお願いした方がいたそうです。
理由を聞くと、最初の本はボロボロになってしまったので、サイン用に新しい本を買い求めたと言う事でした。”

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先生が大切にされている地元で毎年開催されるアットホーム的な写真展、
“その作品群を中心に、紙の本に残しておきたいという思いが芽生えたのはいつの頃だろうか。
「野の花の小径」のように、派手さはなくとも、人の心の奥に届く作品集をもう一度作りたい。”

この言葉を読ませていただいて、珠玉の写真集であることが判りました。
そして、ぽろぽろになるまで愛読された「野の花の小径」と「風のけはい」を手にしたいと思ったのでした。


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先生は、学生の頃ストリートミュージシャンとして、全国を自転車で放浪されたそうです。
繊細でスマートな里山の貴公子のような先生は、若き頃、冒険家で夢多き青年だったのでしょうね。
以前、先生のFBで、仙台の街角でリコーダーを吹く、自転車日本一周青年として新聞に載ったという
当時のスクラップを投稿された人の記事が載っているのを読んだことがありました。


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今も先生は、精力的に全国行脚をして、写真教室やワークショップや演奏会などをされていますが
その礎は若き日にあるのだなぁと思います。
違うのは自転車をご自分で改造されたキャンピングカーに置き変えてという所でしょうか(^^)
先生に伺ったら、車を止めて良い場所があれば、森や、野原や、駐車場で眠るのは快適だとの事でした。
貴公子に似合わず、やっぱり先生は野の花のような「自然人」なんですね。


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静かな森の中でキャンプ出来た夜は、一人、ギターを弾きながら作詞・作曲されることもあるそうです。
その時、作られた曲を、以前、狭山丘陵のワークショップで歌ってくださったことがありました。
題名を忘れてしまいましたが、「草と木の…」ああ、思い出せません(涙)とっても素晴らしい曲でした。
そして、先生の歌声が優しくて、胸にジーンと染み入ったのを覚えています。
いつかこの曲が、収録されたアルバムが出来たら、ぜひ、購入させていただきたいと思っているのです。

写真集の最後のページに収録された星空が広がる草原に明かりの灯るキャンピングカーの写真です。
きっとこんな美しく澄み渡ったシチュエーションの中、メロディが降りてくるのでしょうね。


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一緒にリリースされた「名もなき旋律」というステキなアルバムの中に書かれていた
「名もなき旋律」に寄せて…という先生ご自身の言葉を抜粋させていただきます。

“ひとつの美しいメロディは誰の胸にも舞い降りるもの…
世界各地に残る作者不詳の美しい伝承曲は、恐らくそう言った無名の人の心に舞い降りた
メロディに違いないと信じたいのです。
このアルバムは、そんな各地の無名のメロディ、あるいは、そんな伝承曲でありたいと願って
わたしや、わたしのまわりで生まれたオリジナル曲を集めて収録しました。
道端で咲く花を集めた花束のようなアルバムですが、花壇の花にはない素朴で透明な輝きを放つ
曲たちです。どうか耳を傾けてみてください。”



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この言葉を胸に刻み、CDを聴きながら、写真集を拝見しました。
リコーダーやフケーナ、アコースティック・ギターの音色はしっとりと美しい旋律を奏でます。
そして写真集の中の花たちを、草の葉や木々の葉、風のそよぎや、木漏れ日の輝き、せせらぎの音までも
蘇らせ、見るものに優しく清らかに語りかけてくれるのでした。



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この感動は、全ての写真が自然の中の息吹を感じさせ、“素朴で透明な輝き”を放っているからなのだと思いました。
自然の中にやさしく抱かれているようで、心が潤っていくのでした。

先生のお写真には旋律が流れているのだと思います。
きっと、自然が奏でるメロディを聴きながら、撮られているのではと思います。
いつか、先生が撮られるような慈しみ溢れる写真を撮れたらいいなと思いました。



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それにはきっと自然体でいること。ときめく心を忘れないこと。
自然の中の美しいメロディに目と耳を、心を傾けることから始まるのかも知れません。



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わたしも、また明日から身近な里山や森を歩きながら、何気ない穏やかな一瞬を
目覚めた花の吐息や、光や風の言葉を、そっと見つけて行けたらいいなと思います。
もう少ししたらこんな季節もやってくるのですものね。



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by kazematikado | 2016-02-09 12:05 | 写真展&写真教室


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