2016年 02月 17日

小さな春街角

立春を迎えて、厳しい寒さの中にも、陽射しのなかにほんの少しの温もりを感じ始める頃、
小さな春の兆しを探して、青梅の街を歩きました。
この日、青梅を訪ねてくださったのは、音楽家のまめ吉さん。
狭山丘陵で開催されるいがり先生の写真教室で何度もご一緒したことがありました。
写真教室の最後にミニライブをしてくださいますが、この時、先生とセッションしてくださるのがまめ吉さんです。
先生が爪弾くギターや、リコーダーの音色に合わせて、横笛やリコーダーで見事なアンサンブルを聴かせてくださいます。
まるで自然の中を、柔らかく吹くそよ風のような音色、アイリッシュ音楽の魅力を教えていただきました。
吹く息の量や、しなやかな指使いで表現が変わっていくような感じに耳を澄ませていると
笛と言う楽器の素朴な音色の美しさ、音域の深さに改めて気づかせて貰った気がします。

まめ吉さんと、前回の府中の写真教室で再会し、なんと一緒に写真を撮りに行きましょうと
夢のような話が、とんとんと進み現実となりました。彼女はとても細やかな心配りをされる方で、
わたしのようなものの撮る写真を誉めてくださり、とても好きだと言ってくださるのでした。
まめ吉さんは、一眼レフを購入されて、今、写真が面白くて仕方がない時期のようでした。
なんだか自分が写真を始めた頃のピュアな気持ちを思い起こさせて貰ったような気がします。

まめ吉さんとわたしは、青梅の名もないちいさな街角で、どんな春を見つけられるでしょうか?

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まずは、昭和レトロな青梅駅で待ち合わせ(^^)
まめ吉さんは、古びた長崎屋の看板や、時が止まったままのエスカレーター、空きビルの店舗にちょっと心を痛めた様子でした。
少し見慣れた風景でしたけれど、確かにそうだなぁと改めて気づいたのでした。
いつものにゃにゃ曲りへ…『わぁ~!!ここ、なんなんですか?この感じ!!、この路地、面白い!』と、喜んでくださいました。
新顔のネコちゃん、発見です。

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質屋さんの立派な蔵を眺めつつ、梅岩寺へと向かいます。


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今にも崩れてしまいそうな木造平屋の空き家、もう少ししたら家の外壁を覆い尽くしてボケの花が咲き競います。



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梅岩寺に着くと、やっぱり梅が咲き始めていました。この梅は「臥龍梅」(がりゅうばい)と呼ばれています。
臥龍とは、中国の故事にちなんだ言葉で、寝ている龍を指します。
まだ雲雨を得ないため天にのぼれず、地にひそみ隠れている龍のことで、転じて、まだ志をのばす機会を得ないで
埋もれている英雄を指す言葉なのだそうです。
なるほど、こちらの梅は水平に幹を伸ばし地を這うような姿で、まさに臥龍梅でした。

60mmマクロで撮った写真2種

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こちらは、望遠レンズで。


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まめちゃんは、一心に梅の花を撮っています。そんな姿が真摯でとても素敵だなぁと思いました。



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はんなりと柔らかなピンク色の花びらに、薄い陽射しが透けて綺麗でした。
なんだか灯りが燈ったようで…


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龍の彫刻が見事です。


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椿は好きな花で、咲いていると必ずカメラを向けますが上手く撮れたことがありません。
いつだったか、高尾山の尾根で藪椿の見事な巨木を撮った事があります。
たおやかになだれ落ちるような枝先がすごく魅力的でしたが、仲間から遅れがちなわたし、なぜか焦っていて、
後ろ髪魅かれつつ、ゆっくりと撮ることが出来ませんでした。いまだに心残りだなんて(笑)
椿のあった場所も定かではないんだけれど、今年はどこかでリベンジしてみようかな?
先日、いがり先生の写真集の椿のお写真を見て、あっ!!こんな風に流れる枝だったと思い起こしました。
撮影時の先生の講評を見て、葉の内側から見上げると葉の光沢がじゃまをしないのだと知りました。
なるほど!椿の葉は主張し過ぎるんだ。今まで、そのことに少しも気付きませんでした。目からうろこって感じです(^^)


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竹林の小径は、木漏れ日がこぼれます。青梅にもこんな小径があるんです。
昔、弓道をやっていた頃、道場は竹林の中にある庵でした。
雪の日にも固く絞った雑巾で床を拭き、的を置くあずちには、水を蒔き、コテで整えたものです。
胴着と袴を身に着け、白足袋で床を擦るように進む、矢をつがえ弓を引き絞る。
しーんと静まる静寂、そんな時、さらさらと笹の葉に降りかかる小雪の音が聞こえてくるのです。
次の瞬間、ひゅんと弦の返る音、空を切って進む矢の音、的を貫く、パシッという音。

なんだか、竹林を歩くとそんな思い出がよみがえるのです。もう一度、竹林で、あの細雪の降る音を聞いていたいものです。



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小さな祠のようなお稲荷さんの真っ赤な鳥居や、苔生して崩れそうな狐の石仏。


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石段を降りていけば、青梅線の踏切が現れます。人一人がかろうじて通れる踏切です。
『こんな踏切を見るの久しぶりです!!』と、まめちゃんが呟きます。


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青梅線開通の時に植樹されたという楠木の大木



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苔に差しこんだ光とシノブの緑の葉のそよぎなどにカメラを向けてみました。


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本当は雫の付いた苔の胞子でマクロの練習が出来れば良かったんだけれど…
あまりいい被写体じゃないけれど、苔の大きさが判るように小枝をアクセントにしてみました。



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裏道をのんびり被写体を探しながら歩いてみます。膨らみ始めた白梅の蕾が可愛くて…
『数少なく咲いている時の梅の花って、咲こうとするエネルギーが満ちていて、とっても美しいのだそうですよ。』
お花を愛するまめちゃんの言葉に納得です。本当ですね。真っ先に咲き出した清楚な一輪、一期一会ですね。



暗い幹をバックに1枚、花芯の紅色がとても艶やか。


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白壁をバックに1枚。花びらいっぱいに散る蕊の美しさ、鈴なりの丸い蕾の健気さ…



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淡いピンクの八重咲きの梅は、青空がとっても似合います。



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なんて愛らしい…蕾も可愛くて



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暗い幹をバックにしたら、とても締ったイメージになりました。



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紅梅もまた、白壁が良く似合う。



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美しい格子戸の稲葉家住宅にも寄ってみましょう。


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こちらのお庭にも臥龍梅があるのです。大正ガラスの窓越し、良く見るとわずかな歪みが味わい深いです。



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入り組んだ廊下の窓ガラスを撮ってみました。迷路みたいに見えますね。



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土間に零れる明かりが何とも美しい。何となく時がうずくまっているような気がします。


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帳場の机と行燈


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火鉢もなんだか良いですね。



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美しい芸術作品のような障子の桟、屋根裏部屋へ向かう黒光りする急階段。



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欄間の彫刻も大変美しいものでした。



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欅の一枚板の扉です。いまでは、このような贅沢な使い方をしないそうです。



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白壁の蔵と梅の木、上手く撮れませんね。



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透き通るような白梅、バックのピンク色は冬桜の花です。


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青空にも美しく映えます。


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火事で一部が燃えてしまったという蔵も昨年、建て替えられ公開されています。
屋根の上の瓦が不思議な形ですね。


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沈丁花の蕾もたくさん(^^)岩に映る南天の影もおもしろいなぁと思いました。。



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ヒマラヤユキノシタも大きな葉影で蕾を膨らめ始めました。


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古い家屋の残る町角には、丸ポストが似合います。


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お茶屋さんの店先に、春の花の鉢植えが飾られていました。


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古い瓦にトタンの雨トヨも味わい深いです。



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『わぁ~♪ なんてかわいいの(^^) 二輪並んで咲いてるところが愛しい感じ!!』
まめちゃんが、こぼれ種から目覚めたスミレのお花を見つけました。




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春のお花の鉢植えも咲き出して、健気な花たちの姿に胸キュンな二人でした。



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窓が美しいですね。



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梅の花に混じって、蠟梅の花も咲き匂います。



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重厚な瓦屋根に、美しい窓枠、この建物も現役です。とても魅力的です。



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まめちゃんが、瀬戸物屋さんの店先で素敵なものを発見しました。
紺地に白の水玉模様の陶器です。昔ながらの模様で懐かしくもあり、それでいてシンプルで可愛いのです。
お店のおかみさんが、『一昨年の大雪で蔵が壊れ整理をした時出て来たのよ。それまで蔵で眠っていたのよ。』
と教えてくださいました。とても古いもので、一つ一つ手づくりなので同じものは二つとないのだそうです。

良く見ると本当だ!!模様の部分の窪みとか、模様の大きさとかみんな違うのですよね。
大量生産でない時代の物なのだと思うと何だか愛着が湧きますね。
それにしてもまめちゃんの目利きは素晴らしいです(^^)



そして、こちらは、九谷焼の招き猫ちゃんです。久谷焼きだけあって凄く美しいです。
そして、小ぶりの招き猫で、7500円とちょっぴりお値段も張ります。
この招き猫を買って帰ったお客さまが、高額の宝くじが当たったのだそうで、口コミで噂が広まり、
最近は、買い求める人が後を絶たないのだと人の良さそうなおかみさんが笑顔で話します。

そうかぁ…とっても可愛いし、一個欲しいかも…


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そうそう、写真は無いのですがアンティーク家具のお店にも立ち寄らせていただきました。
オーナーさんは、紳士的で素敵な方です。アートフェスティバルの時もいろいろお話しして
くださいましたが今回も、時間をかけて説明していただきました。
イギリスの古い家具に囲まれて素敵な楽しい時間を過ごさせていただきました。


そして、わたしの好きなパロディ看板。まめちゃんもツボだったようです。



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他にもいっぱいあるんですけれどね(^^)



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古民家のガラス窓の模様にうっとりです。




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そしてお昼はこのお店、繭蔵さんです。




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繭膳をいただきました。ヘルシーで美味しいです(^^)



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そして食事の後は、青梅の新しい名所津雲邸へご案内しました。
津雲邸は昭和初期から戦後まで政界で活躍された青梅出身の代議士津雲圀利氏の私邸です。
当時、京都から宮大工を招き、青梅の大工の精鋭たちの手で築かれた建物は昭和の建築物として
非常に価値のある素晴らしいものです。また津雲氏が収集した美術品や工芸品が多数保存されていて
季節ごとの展示物も見逃がせません。いつも訪れる度に、当主である津雲様と奥様が温かく迎えてくださいます。


今は、古いお雛様が飾られています。そのお道具類も素晴らしいです。
写真でお見せできないのが残念ですが、とても価値のある素晴らしい美術工芸品です。

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各部屋に活けられたお花も美しいです。
奥さまの優しい心配りとおもてなしの心を感じます。


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階段の一段一段に、細やかな演出に感動します。


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女性はこーゆーのに弱いです(^^)


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二階の窓から眺める景色はいつ見ても心惹かれます。


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襖絵もお琴も生け花も素晴らしいです。



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中庭も新しく作られていました。



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落ち着く茶房の佇まい


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庭の石仏も素晴らしいです。

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欄間には家紋の蝶


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夕暮れ時の時間帯もとても良い雰囲気でした。



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ゆっくりと古き良き時代を堪能してわたしたちは津雲邸を後にしました。

まめちゃんとの写真散歩はとても楽しいひと時でした。
また、桜や可愛いハナネコノメの咲く季節にご案内する約束をしてお見送りしました。
次回、お会いする日が今から楽しみです。まめちゃん、ありがとうございました(*^_^*)




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by kazematikado | 2016-02-17 18:42 | | Comments(2)
Commented by ejichan555 at 2016-02-17 21:21
春の気配が。
函館はまだ雪が降っていて、白一色に逆戻りです。
うらやましいです。
Commented by kazematikado at 2016-02-19 19:02
エジちゃん、こちらもすっごく冷え込む日もあるんですが、確実に春のお花が増えてきました。
1週間前のこの時よりも、さらにたくさんのお花が、街角で健気に咲いています。
そして火曜日にも青梅丘陵を歩きました。アップしたいんですが、明日は楽しみにしているオフ会なんです。
もう、10年来の友人たちと高崎で同窓会です♪
5年ぶりに合う、福島の友人が来てくれます。すごく、すごく楽しみ~♪眠れないかも(笑)


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