風街角

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2017年 07月 16日

怖かった!!

12日は、山ガイドの日 前回下見した川苔山の登山イベントです。
天気予報が前々日まで☂マークがとれなかったけど、前日には☁となったので決行となりました。
当日、朝4時に起床してみると、予報に反して、なんと東の空がオレンジ色に!!
やがてピッカピカの朝日が昇ってきました。綺麗です!今日は上天気と思って家を出ます。
奥多摩駅に着く頃には、空は真っ青のすがすがしい夏空になりました。

今日は44名のお客様、ガイド4名、総勢48名の大所帯、歩行距離は13キロ余りのロングコースです。
百尋の滝までの登山道は渓谷沿いを辿る緑陰の道です。次々と滝が現れ、高架になった橋を渡り返しながら登ります。
清々しい川風にキラキラと木漏れ日が零れ、オオルリやミソサザイの美声を聞きつつ登る楽しい道なので
お客様たちも、滝が現れる度に歓声を上げながら、夏の山旅を満喫されていました。
やがて木立の奥に百尋の滝が現れ、その滝つぼでしばし冷たい水と戯れれば夏の暑さも吹き飛びます。

ところがです、ここまでは上天気だったのですが、川苔山を目指して急な登山道を詰めていき、
右手に急峻な足蹴岩が見え始めるころ、何となく、どんよりとした空模様になって来ました。
川苔山は、いくつもの沢があるせいか、意外と午後になるとガスがかかりやすい山域のように感じます。
過去のわたしの登頂時も、良いお天気なのに急に霧がかかり、道を間違えそうになったこともありました。
最初は、やっぱり今回も同様かなと思っていましたが、昼食を取り始めた沢で、上空に目をやると、
少し離れた場所に気になる黒い雲がありました。
そのうち、大気がぶつかり合う、ドーンという鈍い音が聞こえます。遠く、雷鳴も聞こえ始めました。
『なんだか嫌な予感だね。雷雨が来なければいいけれど…』ガイド間でそんな言葉が交わされました。

早めに昼食を切り上げ歩き始めましたが、次第に雷の音が上空へとやってきました。
数回、稲妻の後に直ぐにドーンと大きな音、するとバラバラという音が森の中からこちらへ向かってきます。
「これは雨の音だわ。」北八や、尾瀬、雲取山でもかつて経験した音でした。
「雨が来ますね。レインウェアを着用しましょう。」言い終わらないうちに、大粒の雨がやってきました。
みなさん慌てて、レインウェアを着用しました。それからが滝のような雨と、激しい雷鳴が轟く中の登山となりました。

山頂辺りが一番ひどく、雷が落ちるのではないかとひやひやものでした。
下山路はあっという間に川となっていて、すぐに登山靴も浸水しました。長い下山路を雷と共に下り、
林道が近くなる頃になって、やっと雨が上がりました。予定よりも1時間ほどオーバーで無事下山しました。
いやはや、大変なイベントとなってしまいました。
お客様たちは、みなさん、ずぶ濡れになりながらも、貴重な経験をしたと笑顔で帰って行かれましたが、
わたしたちガイドは、いろいろ反省点を踏まえながら話し合いました。

まず、気候の急変を予測されるようなデータは、登山催行を決める前日の天気予報には無かったこと、
当日も、雷雨寸前まで予想が難しかった事などがあがりました。
今回、雷雨に遭遇したのが、山頂間近い場所であり、全行程のほぼ半分ぐらいの場所でした。
登って来たコースは、岩場や狭くなった場所、高架の木橋などがたくさんあり下りには不向きのコースでした。
まして、豪雨の中の下山は大変危険です。引き返すと言う選択肢はありませんでした。
川苔山には複数のルートがありますが、どれも現在の場所からは険しく長く、この時使えるような
エスケープルートはありませんでした。
また、コース全般、山頂付近にも避難小屋などは無く、予想以上に激しく長い雷雨だったので、
どこかで雷をやり過ごすという選択肢もなかったのです。
50人近い大所帯で、雷雨の中、歩き続けるしかなかったと思いますが、疲れで遅れがちになる人、
足がつる人、つまずいて転ぶ人、川と化した登山道の路肩を踏み外した人などがありました。
また、今回は、幸いにも落雷は免れましたが、自然災害との遭遇と言うものは紙一重の感があります。

このような事を考え合わせると、危険回避のためのガイドの判断の責任というものを痛感しました。
今後、登山チームのガイド間で、もっと話し合う必要ありと言うのが、担当ガイドの共通意見となりました。

個人登山では、ここまで感じた事のない山の怖さを痛感した山行でした。

(ガイド本番であり、緊急事態のため今回は写真はありません。)


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by kazematikado | 2017-07-16 00:01 | 山と森 | Comments(2)
Commented by きさら at 2017-07-17 19:55 x
しずくさん。こんばんは。

こちらは晴天だったので、無事に登山を楽しまれているとばかり思っていました。
お天気急変の中での判断は、緊張の連続だったと思います。
登山道が川の様になると、ルートの見分けも難しくなりますよね。山頂近くでの雷は、迫ってくるように近く感じられたのではないでしょうか・・
雷雨の中、全員無事に下山されて何よりです!!
美しいときだけではなく、荒天もあっての自然なのだと、
改めて思いました。

しずくさん。お帰りなさい。
お天気急変の中でのガイド山行、本当にお疲れ様でした。
無事で良かった~~!!
Commented by kazematikado at 2017-07-20 17:53
きさらちゃん、ありがとう(*^_^*)
ほんと、無事で何よりでした。朝からお昼にかけてのあまりに素晴らしい晴天、ふと、朝の奥多摩駅で雷雨にならなければいいが…と思ったのが的中してしまいました。
実は、夏の尾瀬至仏山で2回、雷雨で山頂あと一歩で下山しています。
西から、冷たい風が吹いてきて、トンボたちがいっせいに山から下りてくると天候急変の合図でした。
今回も、見通しの良くない山地ですが西から崩れて来たように思います。雷雨前は冷たい風が吹いてきて、春ゼミたちの声も静まってました。なんか共通するものが在るのかも知れないです。
今回の山行では、わたしたちは究極の判断を迫られたし、いろいろ問題点も凝縮した山行となりました。
今回の事を教訓に、今後もガイド間の連携や意見も深めていきたいと思います。
今回の問題点で、一番感じた事は、雷雨時は即下山すべきと言う事です。あと、隊を分ける事は余程のことがない限りしない方が良いと言う事です。ガイドとしてはまだまだ未熟なわたしたちです。


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