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風街角

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2017年 07月 29日

茶房 むべ

いままで、なかなか訪れる機会が少なかった檜原村や五日市に、昨年から登山ガイドで頻繁に訪れるようになりました。
青梅・奥多摩側の地理は大体頭に入っているものの、ようやく五日市界隈から檜原村へ向けての地理が判って来ました。
ガイドの時は、たいがい素通りしてしまう、ちょっと良さげなお店が気になって、気になって…(笑)
ということで、ぼちぼち、五日市・檜原界隈もわたしのテリトリーに入れちゃおうかなと、散策開始しています。

バスの車窓から眺めていて気になった瀬音の湯、山懐深い感じや、秋川渓谷の美しさに魅かれます。
今日は、手前のバス停で降りて、のんびりと歩いてみました。

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穏やかさそうな流れに、滴るような緑が目に沁みます。


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かたや、岩を浸食する流れは、どことなく秩父長瀞の石畳を連想させます。


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秋川渓谷に架かる石舟橋。ガイド冊子に載っている柔らかくたわむ曲線の美しさに魅かれました。


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吊り橋ぽくないのに、何だか不思議な橋です。


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手すりの中にワイヤーが入っていて吊っているのかな?って思いました。
橋板じゃなくってチップが埋め込まれたみたいな感じで、ふわっとした歩き心地で
とっても足に優しいです。人専用のお山の吊り橋でした(^^)


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ここを渡って遊歩道を歩いて行くと瀬音の湯に出ます。
温泉にも入ってみたいけど、ちょっと足湯で、プチ温泉気分。
そのまま、山里を散策しながら、気になるお店を目指します。


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ありました。(^^)
小さく風に揺れるお店の名前を書いた布の旗?が良いです。
なんかかき氷の“氷”っていう旗みたいな。文字がすごく味がありますよね。


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案の定、入り口のくぐり戸からして、素敵な店構えです。


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まるで、小粋な料亭のような、そんな造りです。
どことなく、奈良で見かけた古都にマッチした茶房のような気がしました。

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入り口の小さな石段を上がってモダンな茶房へと向かいます。
この石組もご主人が作られたそうです。



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そして、茶房は、こじんまりしたスペースの中に、洗練されたセンスが凝縮されたようで、
窓辺から見える緑も相まって、上質な時間がゆったりと流れているような空間でした。
調度品もとても上品で、流れるクラッシクが心地良くて、思わず寛いでしまいました。



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薩摩切子でしょうか?グラスも美しい。


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珈琲カップは、有田焼だそうで、自分の気に行ったカップで淹れてくださいます。
わたしは、迷わず、この椿の柄のカップを選びました。とっても香り高い珈琲でした。


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そして、季節のフルーツを盛り込んだレアチーズケーキ、果物の瑞々しさとマッチして美味しいです!!

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カフェ隣に併設されているギャラリーでは、ご主人の高橋敏彦氏の作品が展示されています。
高橋氏は、 画家でもあり書家でもあり建築家でもある芸術家で、あきる野では有名な方なのです。
とても美しい色遣いの水彩画と、温かみのある独特の書体は、 あきる野市のいろんなところで
目にします。あきる野市の観光パンフレットやポスターにも、看板にも使用されているのです。


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特にあきる野に残る昔ながらの風景や山里の暮らしや祭りなどを描いた絵は素晴らしくて
心が温かくなる感じです。お気に入りの絵の絵葉書を何枚か購入させていただきました。

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このポスターも高橋氏によるものです。大変、芸術的なポスターで凄く惹かれます。
絵もそうですが、文字もとても素敵です。


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中庭の手入れをしている方がいらして、先ほどギャラリーで拝見した紹介写真のその人でした。
高橋氏は、白い顎鬚をたくわえて、とても優しい目をした方でした。物腰もとても穏やかで
本当に素敵な方でした。伺って、驚いたのは、なんと青梅にある藍染工房“壺草苑”の建物の
設計や看板の書体など、すべて高橋さんが行ったのだそうです。
そう言えば、素敵な建物に、独特の書体の看板に納得でした。

中庭にある東屋も素敵です。ギャラリーの絵を解説してくださり、お庭もご案内くださいました。


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古民家の改装も、お庭もご自分で設計し、作られたのだそうです。
石段の所に、スミレの葉を見つけました。もしや?と思って伺ったらやっぱり!!
ゲンジスミレだそうです。自然に生えて来たのだそうです。これは花の時季にぜひ、
伺ってみたいものです。そして、スミレの葉の隣にある葉っぱが“むべ”の葉だそうです。

むべはアケビに似た紫の実を付けますが、アケビのように割れないのが特徴だそうです。
常緑高木なので、冬でも葉を落とすことがないのだそうです。
なるほど、秋に実を付けた頃にも、また伺ってみたくなりました。

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長閑な山里の一角に、ひっそりと建つ、隠れ家みたいな茶房がとても気に入ってしまいました。
大切なお友だちを、ご案内したいなぁと思えるお店を見つけました。
ご一緒に、遊びに行きませんか?



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by kazematikado | 2017-07-29 11:11 | お店 工房


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