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2014年 09月 27日

ハクサンコザクラ咲く会津駒ケ岳へ その2

「駒の姉さまに逢いたくて、また、登って来たのよ!」と、わたし。
『しずくねーさん、いらっしゃい!ハクサンコザクラも待っていたよ。』
と、手を取って迎えてくれた駒の姉さま。
この駒の小屋には、美しい会津駒ケ岳の自然と、管理人の三橋さん夫妻の人柄を慕ってたくさんの常連さんが訪れます。
常連さんたちの事を、通称"駒中"(駒中毒)とも呼びます(笑)
そして、駒中さんたちは、若いお二人の事を親しみを込めて、駒の兄さま、駒の姉さまと呼びます。

わたしは、たった2回、駒の小屋を訪れただけの旅人、けして常連さんではないけれど、
こうして覚えていてくれて、常連さんたちと変わりなく心からの笑顔で暖かく迎えてくださる。
お二人は、そんな素敵な山人です。
荷物を置かせてもらうために小屋の中に入ると、隅々まで綺麗に掃除された磨きこまれた床の上から、
駒の小屋オリジナルの愛らしいパペットたちが見上げていました。



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まだ、午後3時前、わたしたちは会津駒ケ岳に登ることにしました。
『今、池の周りはハクサンコザクラが奇麗よ。あの残雪の辺りが一番かな。稜線は咲き始めたばかりだと思うわ。
行ってらっしゃい♪』と、姉さまが見送ってくれました。


大池の周りにはハクサンチドリも咲いています。

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モミジカラマツも綺麗です。


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ネバリノギランも、緑色の蕾をたくさん付けてました。



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コイワカガミも、とっても優しい色合いの花を綺麗に咲かせていてくれました。




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まだ消え残る残雪の滴り、この滴りが、さまざまな命を育むのですね。


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そしてそのそばには、芽生えたばかりのハクサンコザクラが蕾を膨らめていました。



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う~ん!!蕾も愛らしい!!♡



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残雪の滴りが、キラキラ輝いて…
コンニチワって、ハクサンコザクラがささやいているようでした。



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ほんの5㎝足らずの背丈のハクサンコザクラたちが、風に吹かれていっせいにおしゃべりを始めたみたい。



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だんだんと、駒の小屋が遠ざかっていき、大草原の中の小さな家のように見えます。
片側からは、燧ケ岳の猫の耳が覗いています。クロちゃんも言っていたけれど、ほんとメルヘンの世界です。



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こうして、わたしたちは昨年に続き、2度目の会津駒の山頂を踏みました。
山頂から見る駒の小屋は、周りを山々に囲まれた緑の稜線に佇んでいました。



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熊笹に覆われた山頂から、中門岳へ続く稜線へと降りて行きます。



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沢山のイワイチョウの葉が生い茂る稜線の道。来週あたり、この辺はハクサンコザクラとイワイチョウのお花畑になるでしょう。




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夏空の深い深い青、天空へと続く道です。



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みんなして、可愛いね♪ 気持ちいいね♪ を代わる代わる呟いては、しゃがみこんで花々を愛でます。


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はるかちゃんが撮っているのは、



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かわいいこのこ(^^)



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おじーが、撮っているのは



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純白のこのこ、かな?



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咲き始めたばかりのイワイチョウさん(^^)



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オトギリソウも咲き始めました。花の季節は駆け足で進んで行きますね。



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わたしたちは、中門岳は翌朝に回し、ここでおじーとこうへいちゃんと別れて戻ることにしました。

若い二人に、ずっとわたしたちのお守りをさせては気の毒だものね。
と、姉さん二人の粋なはからい?でもあるのです。(笑)


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誰もいない稜線を仲良く歩いていく二人。
山々に抱かれて、風に癒されて、二人はどんな話をしたのでしょう?
中門岳の、天上の池塘は、きっと美しい水面に二人の姿を映してくれることでしょう。
わたしたちは二人の後ろ姿を見送りながら、会津駒ケ岳の山の神様の慈愛に守られているんだなぁと思うのでした。


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さて、姉さん二人は、会津駒ケ岳を巻いて駒の小屋へと戻って行きます。
稜線には咲き始めたハクサンコザクラが風に揺れています。
「はるかちゃん、本当に、ハクサンコザクラの咲く頃に来れたね。ありがとう。」
『しーちゃんと一緒に来れて、本当に良かったよ。ハクサンコザクラ可愛いよね!』



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駒の小屋が見えて来て、だんだんと近づいてきます。



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そして、わたしたちは、夏空を映し込んだ駒の大池の畔に佇み眺めます。



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湖面を渡る風が見えます。



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池の畔りに座り、わたしたちは、ゆっくりと話し始めます。
実は、わたしは今回、いろいろな事が重なり心配事がありました。
駒行きを諦めようかとも思いましたが、『しーちゃん、行こう!』とはるかちゃんが背中を押してくれました。

はるかちゃんも、また、高齢のお父さんの健康が危ぶまれることがあり、大きな心配事を抱えていました。
はるかちゃんは、『父の具合も落ち着いているので、わたしは行こうと思います。駒に行けば、元気を貰えると思うから。』と参加を決断したのでした。
はるかちゃんが行くなら、わたしも行こうと。そう思えました。


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『しーちゃんを、無理に誘ってしまったんじゃないかと後悔していたのよ。』と、はるかちゃん。
「そんなことないよ。お陰でこうして、ここに来れて感謝しているよ。来て本当に良かったよ。」と、わたし。
『しーちゃん、良かったら、聞かせて…』はるかちゃんが、優しくそう言ってくれて、わたしは想いを話し始めました…。



駒の大池は、青い空を映して静かに澄み、風がさざ波を立てて渡っていきました。
遠くの山並みは淡く霞み、空の青に溶け込みそうでした。
ハクサンコザクラの花の間を飛ぶハナアブが、微かな羽音を立てて、ふと目を落としたシダの葉の上でゴマダラカミキリが遊んでいました。


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どれだけの時間が経ったでしょうか。
涙を浮かべながら親身になって聞いてくれたはるかちゃんの優しさと、駒の大池の青さが、わたしを泣かせました。
そして胸のつかえがすーっと消えて行くような気がしました。
空と大地との間で、寄り添ってくれた優しい友の心が、わたしを包んでくれたのでした。



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ふと、気づくとおじーとこうへいちゃんが帰って来ました。
『帰ってきたら、姉ちゃんたちが、お池のほとりでちょこんと座っているのが見えたよ。
何だかとっても小さくて子どもみたいで可愛かったよ♪』とおじーが笑いました。

『おじー、こうへいちゃん、お帰り~♪中門岳は綺麗だったでしょ、楽しかったかい?』
「わたしたちも、凄くいい時間を過ごしたんだよ。さぁ、ご飯にしようか?」
『わーい!!お腹減ったね。ごはん!!ごはん!!』
わたしたちは、池のほとりのベンチで夕飯の準備を始めました。




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おじーのザックから出てくる食材の数々(^^)おじー、重かったろうね。ありがとうね。
夕飯のメニューは、野菜たっぷりラーメン(^_-)vと、牛タンハムがたっぷり入った贅沢サラダ(*^_^*)

はるかちゃんとわたしは、どんなメニューにしたらよいのか思い浮かばず、全ておじーにお任せでした。
おじーは忙しい中、メニューを考え買い出しも引き受けてくれました。
本当に頼りになる娘です。わたしたち母さん二人は、娘の指示に従ってお手伝い開始です。
と言うか、野菜を切ってくれたのははるかちゃん、ドレッシングを混ぜ混ぜしたのは、こうへいちゃん。
野菜ラーメンを作ってくれたのはおじー。あれ?わたしは何をしたんだろう? 思い出せないぞ?
なんだか、わたしは写真を撮るだけで、何にもしていなかったみたいなのでした~^_^;
あっという間に出来た美味しい食事を食べただけの人でした。みなさん、ほんとすみません<m(__)m>



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いただきまーす♪ とっても美味しいラーメンに舌鼓!!
牛タンハムのサラダは、おじー特製の梅ドレッシングでさらに美味しくて絶品でした。
おじーとこうへいちゃんは、自分たちで野菜作りに挑戦していて、目下試行錯誤で勉強中なのです。
この梅ドレッシングもおじーが漬けた梅干の梅酢とオリーブオイルで作ったものだそうです。

そこへ駒の姉さまが、手作り春雨サラダと、ワインを持って差し入れに来てくれました。
ちゃんとワイングラスも用意してくれて気分満点!!天空バルのソムリエみたいです。


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わたしたちは、グラスを片手に、乾杯!!!ふたたび駒の小屋に来れたことに乾杯しました。



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そして、会津駒ケ岳に、乾杯!!
とっても美味しいワインでした。駒の姉さま、心づくしをありがとう。そしてご馳走様でした(^^)♪



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わたしたちが、談笑していると、夕陽が沈み始めて最後の光が駒の大池に届いていました。



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「ちょっと、夕景を撮ってくるね。」 『うん、行ってらっしゃい。』
わたしはカメラを片手に駒の池をぐるりと回りました。わたしの影法師が巨人のように伸びます。



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ハクサンコザクラたちは眠りにつく前に、夕陽の暖色に輝きました。



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大池の周りに続く木道をゆっくりと歩きます。



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夏空は、まだ青くて、いつまでも明るいのでした。



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頬をかすめては吹いていた微風もいつしか止んで、湖面は鏡のように凪いでいました。



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駒の小屋が大池に映り込んで、美しかったです。
静かな景色に、「ああ、来てよかった…」と、胸がじーんと震えました。


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池のほとりの梢で、カヤクグリが綺麗な声で囀りながら一日の終わりを告げていました。



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西の空がほんのりとバラ色に染まり、何とも言えない穏やかな夕暮れでした。



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冷えて来たね。そろそろ小屋に入ろうか。
わたしたちは、急いで後片付けをして、暖かな小屋へと引き上げることにしました。



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小屋にはいくつものランプが灯り始めていました。



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受付の棚の上にも…



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柔らかな灯影が、あたりをほんのりと照らします。



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床にも、ランプが並んで燈っています。



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階段にも、部屋にも、ランプの灯火が揺れて、ノスタルジーの世界です。
温もりと懐かしさと優しさと…鼻の奥がツーンとしてくるのはなぜでしょうね。


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『消灯時間まで、少し間があるから、お茶を入れましょう…』と、駒の姉さまが言ってくれました。
はるかちゃんとわたしは、おじーとこうへいちゃんを呼びに行きましたが、二人は既に夢の中でした。疲れたんだね…おやすみ。


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ヤカンがしゅんしゅんといって、姉さまが、カップにお茶を注いでくれました。
はるかちゃんと、わたしと、姉さまと兄さま、何を話したのだったでしょう…
両手で、暖かなカップを包むようにして、しみじみと話したり、笑ったり、静かな良い時間を過ごしました。

やがて、消灯時間になりランプの灯も消えました。
兄さま、姉さま、特別な素敵な時間を作ってくださってありがとうございました。
お二人が、駒中さんたちから慕われている理由が判ります。
おやすみなさい。


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そして、はるかちゃんと、わたしは寝る前にもう一度、外に出ました。
漆黒の夜空には無数の星々が輝いていました。
見上げるとどこまでも、どこまでも高く澄み渡り、無窮の宇宙に吸い込まれていきそうでした。
あまりに星の数が多すぎて数えるほどしか星座も見つけられませんでしたけれど、美しい夏の夜空を目に焼き付けました。


星空撮影はしませんでしたけれど、はるかちゃんと一緒に見たこの星空をわたしは忘れないと思います。
『しーちゃん、綺麗な星空だね…』 「うん、吸い込まれそうだね…」

夏の星座が、わたしたち二人を、そして、駒の小屋で眠るおじーとこうへいちゃんをそっと見下ろしていたのでした。

長くなりましたので、その3へ続きます。

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by kazematikado | 2014-09-27 01:09 | 山と森 | Comments(4)
2014年 09月 24日

ハクサンコザクラ咲く会津駒ケ岳へ その1

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しーちゃん、来年はハクサンコザクラが咲く頃に来ようね。
絶対に連れて行くよ!だから、きっと行けると思っていようね!!

昨年、若草女子会のみんなと秋色の会津駒ケ岳に登った晩、感動で胸がいっぱいのわたしに
はるかちゃんがそう言いました。
『そうだよ、おねえちゃん、絶対にみんなでまた来ようよ!』と、ひだまりちゃんも、おじーも
ちょっぴり目を潤ませてそう言ってくれました。
『わたしは泣かないよ。しーちゃんを無事送り届けて、来年また連れてくるまでは』と、
この時、はるかちゃんは心に強く誓ったそうです。

翌朝、山を下りる時、駒の姉さまも、『しずく姉さん、今度はハクサンコザクラが咲く頃に来てね。』
と手を握ってハグしてくれました。

★昨年の会津駒ケ岳のレポです。
友情の駒ケ岳
友情の駒ケ岳(朝焼けのドラマ)
友情の駒ケ岳(雲上の楽園)

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そして、その言葉通り、7月28日、29日で会津駒に行く段取りをはるかちゃんが付けてくれました。
尾瀬で忙しく働くひだまりちゃんも初日は無理だけれど、昨年のよしころん隊長と同様に、
翌朝登って来てくれるそうです。
わたしの娘ほどに若いおじーは、だんなさんのこうへいちゃんと一緒に駆け付けてくれます。
こうへいちゃんは、運転も引き受けてくれるそうです。
出かける前に、おじーからこんなメールが来ました。
『しずくねえちゃんもはるかねえちゃんも、荷物は最小限の自分の分だけでいいからね。
食材や水はわたしたちに持たせてください。荷物が重いと心から楽しめないからね。』

よしころん隊長は、夏山遠征中で残念ながら今回は予定が合いませんでしたけれど、
若いおじーに、『おねえちゃまたちをよろしくね。』と、託してくれました。
こんな暖かくて優しい仲間の友情に支えられ、わたしにとって2度目の会津駒への山旅が実現したのでした。



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前夜初の久喜の駅で、千葉から来た、おじーとこうへいちゃん、はるかちゃんと合流し車に便乗させてもらいます。
こうへいちゃんとは初対面、とっても楽しみでドキドキしてましたけれど、思っていた通りの、
いいえ、思っていた以上に素直で優しい好青年でした。
はじめましての挨拶と握手の後すっかり打ち解けて、目的地までの長い道中も、それは楽しい車内でした。

車は午前2時頃、南会津のひだまり宅へ着き、人数分敷いておいてくれた気持ちのいいお布団に
潜りこみ、ぐっすり仮眠させてもらいました。
翌朝は4時起きで、ひだまりちゃんが用意してくれた朝ごはんを美味しくいただき、まるで合宿みたいな楽しい朝です。
そして尾瀬沼へと出勤するひだまりちゃんと滝沢登山口への分岐で別れます。
ひだまりちゃんは、昨夜も遅くまで仕事をし、わたしたちのために朝食やお弁当まで作ってくれました。
今日も一日、尾瀬沼で忙しく働き、明日は早朝から会津駒へと登って来てくれます。
ひだまりちゃんは『全然大変じゃないよ。この楽しみがあるから頑張れるんだよ。』と明るく笑うけど、
本当にありがとうね。感謝しています。

こうして、わたしたちは、朝、7時半、滝沢駐車場を元気に出発しました。


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出だしの階段。いきなりの急登の始りです。心を引き締めながら一歩一歩登ります。


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木洩れ日の登山道には巨木が立ち並びます。去年も迎えてくれたミズナラの巨木です。
おはよう!また、逢いに来ましたよ。わたしはその幹に触れながら呟きました。



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『あ、イチヤクソウじゃない?』と、おじーが発見します。
葉影にひっそりと、恥ずかしそうにうつむきながら、たった一株だけ咲き残っていました。
おじー、良く見つけたね。



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森の中には、ヤマブキショウマの白い花がふわふわと風に揺れています。
目立たない花だけれど、木漏れ日が射すと緑の中に真っ白に浮き立ち涼しげでとても綺麗です。



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アリドオシの花が足元にいっぱいです。小さい小さいお花です。



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この花の名前を、翌日ひだまりちゃんに聞いたんだけれど忘れました。



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しばらく歩きと、倒木のベンチが現れます。去年もココで休んだよね。
ということで、今年も休憩~♪去年、ブナの実を拾いながら歩いた道です。


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おやおや、トカゲくんが現れました。かわいい♪




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おっきなでんでんむし。山のカタツムリはどうしてこんなに大きいのだろう?




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見上げれば木々のそよぎに心癒されます。手前の木はハウチワカエデでした。
昨年は美しい緋色とブナの黄色とのグラデーションに息を呑みましたけれど、今は清々しい青もみじです。
陽射しに透ける青紅葉も、また素敵なのでした。


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今度は、綺麗なツルリンドウが咲いていました。
淡い薄紫の花がとっても控えめだけれどリンドウ好きにはたまらないです。(^^)
こうへいちゃんもリンドウ好きと判明!意気投合しました(笑)



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葉の切れ込みが深いからジョウシュウオニアザミかな?


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花は、たくさんの筒状花で形成されている頭状花序。
行儀よく並んだ花一つ一つが雄蕊を付けて、赤紫のアザミ色がうっとりするほど奇麗です。



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雨で登山道が川となって土がさらわれ、むき出しになった根っこが絡み合いながら張り出した道。
樹の生き様がそこに現れているようで、しばし立ち止まってしまいます。


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のんびりなわたしたちがようやく次のベンチに着いた時、後発のおじーとこうへいちゃんの知り合いのグループに追いつかれました。

この方々は、まだ尾瀬沼をポンポン船が航行していたころからの長蔵小屋の常連さんだそうです。
尾瀬と山とをこよなく愛する大先輩たちは、みなさん健脚で、明るくて素敵な方たちでした。


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しばし談笑の後、お別れしましたけれど、山友達って素晴らしいなぁと思いました。
長年、いくつもの山やいくつもの川、それぞれの季節の尾瀬を共に歩いた盟友たち。
わたしたちも、大先輩たちのように、いくつ歳を重ねても一緒に歩き続けたいと思いました。



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そして、水場に着きました。わたしたちにしては良いペースではないでしょうか!
この時点では、まだ9時半でしたけれど、お腹はペコペコ(*^_^*)
お昼には少し早いけれど、ここでひだまりちゃんが作ってくれた心尽くしのお弁当をいただく事にしました。



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左下のおまんじゅうのようなのは、ジューシーなミニ肉まんみたいでとっても美味しかったです。
その隣の、海苔を巻いたように見えるのは、会津の郷土料理でシソの葉に味付けした味噌を巻いたもの。とっても美味しいです。

ひだまりちゃん、ご馳走様でした。愛情がたっぷり詰まったお弁当、とても美味しくてみんなで舌鼓を打ちながら完食でしたよ(*^_^*)


その後、水場へと水を汲みに行きました。
緑に囲まれた水場は、冷たくて美味しい湧水が湧き出していて、わたしたちは水を汲む前に心ゆくまで咽喉を潤したのでした。


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苔生した岩の割れ目から、こんこんと湧き出す岩清水。
この水場から流れ出した水が下の沢へと流れ込んでいて、耳を澄ませば川音が聞こえてきます。水辺には天然の山葵や三つ葉も生えていました。
そして、オオバミゾホウヅキの黄色い花がたくさん咲いていました。



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美味しいお昼と休憩で元気100倍、登り始めが早朝で涼しくて気温も低かったこともあり、
ここまでの辛い登りが、去年よりは楽に感じました。
でも、たくさんの食材などで膨れ上がったおじーのザックは相当重そうです。
ここから、こうへいちゃんやはるかちゃんも水場で汲んだ水を担ぎ上げてくれます。
わたしは、自分の分もおじーに持ってもらってしまい、本当に申し訳なく思いました。
みんなに甘えてしまってごめんね。そして、おじー本当にありがとう<m(__)m>


空を振り仰げばブナの巨木の上に、真っ青な空に、真っ白な夏雲が浮かんで爽やかでした。


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すると、灌木が両側に繁り緑のトンネルのようになった道を上からだれか降りて来ます。
その青年は、こうへいちゃんとおじーが、尾瀬沼の長蔵小屋で一緒に働いていたMくんでした。
思いがけない遭遇に喜ぶ二人。Mくんは今期も長蔵小屋で働いていて、休暇で駒に登ったのだそうです。
終始、ニコニコしながら、昨夜の駒の小屋での超レアな出来事を面白おかしく話して聞かせてくれました。
Mくんの話は、それは、それは、お腹を抱えて笑っちゃうくらい面白い話しぶりで、わたしたちは大笑い。
Mくんは、インドを放浪旅したことがあり、今度はシルクロードを歩きたいとも言っていました。



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はるかちゃんとわたしは、すっかりMくんの話に惹き込まれてしまいました。
そして、若者が心のままに旅して見聞きしたインドの話やシルクロードの話を聞いてみたいと思ったのでした。

こうへいちゃんが作ったと言う、マフィンのお土産を嬉しそうに受け取るMくん。
笑顔が素敵な青年でした。いつかどこかで、また逢えたらいいなぁ。


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険しくも楽しい山道を木漏れ日に導かれながら登って行くと、ついに会津駒に続く稜線が見渡せる場所に出ました。
「昨年、ここから金色に輝く草紅葉の稜線が見えた時、歓声をあげたっけね。」
「もう、ヘロヘロだったよね。」 「赤や黄色や緑のパッチワークみたいだったね。」
わたしたちは、そんなことを話しつつ感慨深く眺めます。



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オオシラビソや、ダケカンバの大木を見上げては進んでいると何だか森の中から叫び声が聞こえてきます。



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『鹿の警戒音ではないみたい。』 『なんだろうね?騒がしいね。』と言いながら登って行きます。




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すると、先頭を登っていたこうへいちゃんが、『子ザルがいるよ!!』と指さしました。



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『本当だ!かわいい!こっち見てるよ。』 『あれ?こっちにもいるよ!』
『ほら、木の枝の陰から、こちらを見てるの判る?』



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かわいい子ザルたちが、好奇心旺盛にわたしたちを眺めにやって来たのでした(*^_^*)
少し離れたところで、母ザルが、『ダメよ。戻っておいで!!』というように警戒して呼んでいたのでした。


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「ダメだよ。お母さんが呼んでいるよ。早くお帰り。」などと言いながらまた登り始めます。
足元には、たくさんのマイズルソウのハート型の葉っぱが続きます。



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マイヅルソウロードだね。わたしは鳩待峠から至仏山への登山道に咲き続いていたマイヅルソウの道を思い出しました。
かわいい白い花がまだ咲き残っています。大好きな花なので、ついつい、しゃがみこんでは撮ってしまいます。



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ハリブキの大きな葉っぱも、葉っぱの上や、茎に生えた物凄い棘も感心しつつ眺めます。



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この辺りから、林下に咲く花たちが現れ始めて、わたしたちはついつい、しゃがみこみます(笑)
おじー、こうへいちゃん、ごめんね^_^;


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アカモノ、白い清楚な花なのにアカモノとはこれいかに?それは、真っ赤な実がなるからよ。



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ギンリョウソウが、まだ咲いてました。こうへいちゃんが見付けてくれました。
真っ白い仔馬のような花姿が愛らしくて好きです。



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ノウゴウイチゴも最後の花かな?




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ミツバオウレンも、きっと最後の花だね。




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コツマトリソウ、ノブさんの好きな花だったよね。



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ゴゼンタチバナも、もう、そろそろ終盤だね。わたしが行ける夏の尾瀬はいつも8月だったから
晩夏の尾瀬でいつも見ていた、これらの懐かしい花たちに逢えて、とても嬉しくなりました。




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くるんと丸まったシダの葉、これから開くんだね。



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ベニバナイチゴ、うつむいて咲く恥ずかしがり屋のお花です。



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こうへいちゃんの指に止まったハナアブ君、チュ!チュ!とラブコール♡



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黄緑色に輝く甲虫は、なんという虫かな?とっても綺麗な色でした。



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沢山のトンボたちが飛び交って、みんなの帽子に止まります。


こうへいちゃん

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おじー
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はるかちゃん
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そして、こうへいちゃんの「トンボを思いどうりにするマジック」を見せてもらいました。
まず、トンボを逆さに手のひらに乗せて魔法の呪文をかけるとあら不思議。



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トンボは、手のひらの上でじっと動けません。



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え~!?  どーして~!?  不思議~!?
そして、こうへいちゃんがふっと息を吹きかけると、トンボはぴょんと跳ね上がり
何事も無かったかのように飛んでいきました。



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わぁ!すごいすごい!!こうへいちゃんは、この技を子どもの時にあみ出したそうです。
彼がどれだけ、自然児だったか判りますよね。とっても爽やかな青年です。



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こんな風にお遊びをしながら、ついに森林限界は目の前です。



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やった~!!なんて美しい!!



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さぁ、あのベンチで休みましょう。




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夏雲湧くベンチで荷物を下ろしました。やっぱりここでは寝そべりたくなりますよね。
寝そべって見上げた青空は最高なんです。


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ここまで来たら、もう小屋は目前なんだけれど、目の前に広がる開放的な景色の美しいこと。
吹き渡る風の心地良いこと。足元に咲く花たちのなんて可憐なこと。
その誘惑に勝てるはずがありません。
最初はさっさと小屋に行って荷物を置いてゆっくり写真を撮ろうなんて約束してたんだけれどね。



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まず、最初の誘惑、チシマウスバスミレ



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次は池塘の傍に咲いたワタスゲのぽわぽわ~♪



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まだ咲いていた~♪ミヤマリンドウとの嬉しい出逢い。


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こうへいちゃんもリンドウ好き派。熱心に撮ってます。



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オゼノトンボソウ



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ツルコケモモ、可愛い花姿に、♡ でも、ちょっと遠かったです。


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湿原の中に古びた木道が伸びています。



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こういう味わい深い木道も、尾瀬では老朽化でだんだん姿を消している事でしょう。



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足下には、森林限界に現れた最初の池塘が見えています。


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イワイチョウ、今年は当たり年かも知れません。あちこちに葉がびっしりついていました。


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イワカガミのピンクの花が綺麗です。




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チングルマが愛らしい花を咲かせています。まだ間に合って嬉しくなります。


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三人の後姿と、空と、緑の草原と



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上から大先輩のみなさんが降りて来ています。もう、会津駒に登って下山してこられたようです。


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今日は、別の所に宿を取られたようです。



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食材が食べきれなくて残ってしまったからと、わたしたちに手渡してくださいました。
ご馳走様です。今夜の夕食は豪華版になりそうです(^^)




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みなさんの素敵な笑顔にまた逢えて幸せでした。




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こうして、ベテラン尾瀬チームのみなさんは山をお降りて行かれました。
かっこいい後姿です♪


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あっ!!見えた!!燧ケ岳の双耳峰が見えて来ました。



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ここまで登ると至仏山も見えて来ます。



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登って来た木道を俯瞰します。



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緑の草原を風が吹き渡り、さわさわと草が風になびき風の行方が見えるようです。
三人の後姿が絵になるなぁと思って撮りました。


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そして、最後のカーブを登りきると駒の大池が見えました。
ああ、もう一度来れたんだと青空の映り込む大池を感慨深く眺めます。



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そして、池の周りには、ハクサンコザクラが愛らしい姿でたくさん咲いていたのでした。
ああ、本当にハクサンコザクラの咲く頃に来れたのが、夢のようです。


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わたしは、みんなに一歩遅れて、駒の小屋へと向かいました。
『しずくねえさ~ん!』小屋の前では、あの太陽みたいに明るい懐かしい笑顔で駒の姉さまが手を振っていました。

長くなりました。その2へ続きます。

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by kazematikado | 2014-09-24 18:38 | 山と森 | Comments(15)
2014年 09月 21日

夏模様2

杣保菖蒲園、万葉植物園を後にして、真夏の日差し眩しい里道を走ります。
空色号に乗って風を切れば、じりじりと照りつける太陽も幾分熱を冷ます気がします。
夏色の花に魅かれて、細い路地に入りました。



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畑にはタチアオイの花が、たおやかに咲きわたしのこころを惹きます。
タチアオイは梅雨アオイ、一番てっぺんの蕾が咲いたら夏が来る…



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そして、ビビットなこの花は外国種の花だけれど、もうすっかり日本の風土に馴染んでいます。
里山の景色にも、しっくりと馴染んで、違和感ありません。



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ふと気付くと、川に面した木陰に小柄なおばあさんが座っていました。
きっと家の畑の花を眺めながら、移りゆく夏の風に吹かれていたのでしょう。
目が合うとにっこりとされました。「こんにちは、お花がとっても綺麗ですね。」
『ええ、綺麗でしょう。』 そう言ってまた微笑みます。
「あんまり綺麗だから、ついこちらの道を来ましたが、このままいけば大通りにでますか?」
『はい、この坂を降りて行けば大通りにでますよ。』 「ありがとうございます。お元気で!!」
こんなやり取りの後、別れます。涼やかな風が川面から吹いてくるのでした。


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そして、目指すお寺、聞修院に着きました。山門前の六地蔵さま



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ここのお寺は青梅七福神の一つです。古い山門をくぐれば、奥に茅葺屋根の本堂があります。



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山里の深い緑に囲まれた茅葺屋根の本堂の佇まいに癒されます。



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お庭には、オミナエシが咲き、早秋の気配


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心字池の周りにはミソハギの花が咲き競い、やはり彼岸を想います。



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ミゾハギはピンクの小花の集まりですが、ひとつひとつの小さなお花が、とても可愛いです(*^_^*)



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ギボウシが綺麗です。涼しげで夏のイメージの花で、里にも山にも咲きますね。
水際に楚々と咲く姿も好きですが、奥多摩の山で崖の上や岩の上、あるいは巨木の幹にも
自生している姿は逞しくて素朴で好きな花です。




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オカトラノオ、この花も好きです。清楚な白い花房が風に揺れるさまが、涼しげで夏の風物詩ですね。




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垂れ下がった花房の花はオカトラノオ、すっと立ち上がった短めの花房はヌマトラノオ
小川の岸辺や沼畔に咲いた涼しげなヌマトラノオも好きです。
(写真は両方ともオカトラノオです)


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ノウゼンカズラの鮮やかなオレンジ色の花は、夏のイメージで、わたしにとっては忘れ得ぬ花です。
この花を見ると、実家の庭に植えられた姿を思い起こします。
日よけにと父が濡縁の上に、藤棚のように作りました。


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夕涼みの濡縁で、団扇を片手に涼む父母の姿が、垂れ下がったオレンジの花の向こうに浮かんで
夏の野辺でつい、ノウゼンカズラを探している自分がいます。
夏の宵、ぽとりと落ちる花の音、花火に興じる孫たちの姿に目を細めている父母の顏、
ノウゼンカズラの花影に浮かんでは消えました。


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心字池の畔には、木々の緑に包まれてミソハギが咲き、小さなベンチと藤棚がありました。
今はひっそりとしているけれど花の頃は綺麗だろうと思いを馳せました。



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池の畔に立てば、目ざとく人影を見つけて鯉が集まってきました。



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涼やかな水面に見とれていると、いきなり後ろから『何?』と、声がします。
振り返ると、先ほど山門ですれ違ったので「こんにちは」と挨拶をした15歳ぐらいの少年でした。
彼は、もう一度『何?』とわたしに聞きます。どうやら、挨拶をしたので何か用があるのかと
わざわざ聞きに戻って来てくれたようでした。

「あっ、何でもないのよ。大きな鯉がいるなぁと思ってみていたのよ。ありがとう」
『・・・・』 「おにいちゃんは、このお寺の子なの?」
なんと言ったらいいのか判らずにそう言うと、少年は首を振り黙って去って行きました。



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楓の枝越しに、茅葺屋根の本堂を望みます。
一叢の萱が繁り楓も少し色づき、なんとなく、もう秋の気配が漂った気がしました。



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本堂の左側にある小さなお堂に登って見ると、周りの山を借景に、美しい茅葺屋根が
木々の間越しに眺められます。



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ひっそりとヤマハッカの薄紫の花が、やはり秋の気配を漂わせます。


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小高い所に建つ小さな社、少しだけ開かれた扉から、素足の神様がお出ましになったような想像をしてしまいました。
罰あたりかしら?…


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白い垂れ幕が、少しだけ揺れたような…



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銀杏の巨木には、シノブがびっしり。
シノブは多年生のシダ植物で,沢沿いの岩や樹木の幹に茎を伸ばして着生しています。
乾燥に強く名前の由来は土がなくても耐え忍ぶ、というところからつけられたといいます。

秋に銀杏の葉が色づく頃は、このシノブも明るい山吹色に色付いて陽に透ける様が美しいです。



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ぐるりと誰もいない静かな境内を散策して山門に出てきました。
小さな石橋を渡ろうとして、そのたもとに数輪のコスモスが咲き始めていたのに気が付きました。


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晩夏に、ちいさな秋を見つけて思わず口元が緩みます。山門脇の石仏も、こころなし微笑んでいるようでした。



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雨にも負けずの詩が貼られていて、立ち止まります。



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ふと、気づくと先ほどの少年が、黙ってわたしの自転車をじっと見ています。
彼も、クロスバイクにまたがっています。
「おにいちゃんも、自転車が好きなの?」と、尋ねると黙って首を縦に振ります。
「そうだ、この辺に、美味しいパン屋さんがあるって聞いたけれど、知ってる?」と聞くと、
『あの、酒屋の角を曲がって行くとある。』と、答えてくれました。
わたしは、ありがとう。とお礼を言って走り出すと、少年が付いてきます。そして、
『その道、曲がって。』と大きな声をかけて、わたしと並んで走り始めました。
どうやら案内してくれるつもりのようです。森影の坂道を走れば涼風が頬を撫でます。
『気持ちいいね!!』と、少年が初めて弾む声で、わたしに声をかけます。
「ほんと、気持ちいいね!!」と、わたしも答えて、思いがけない成り行きにワクワクしました。

しばらく、坂道を登ると、森に囲まれた素敵なログハウスが見えました。
「あそこ?!」と、わたし。 『でも、閉まってるかも…』と、少年。


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ギボウシの花に囲まれたガラス張りのロブハウスには「close」の看板がかかってました。


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『あーあ、閉まってる。』と、残念そうな少年。
「ありがとう。閉まっていてもいいよ。場所が判ったからまた来るよ。」と、わたし。
『明日、来る?』と少年。「そうね。明日はどうかなぁ?」と、わたし。

すると、『明日、来る?』と、少年がまた聞きました。「うん、来れたら来るね。」
『どっちに帰るの?』 「この道をまっすぐに行って岩蔵温泉を抜けていくのよ。」
『どのくらいかかる?』 「そうね。40分ぐらいかなぁ?」


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パンを焼く石窯も立派な造りです。


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わたしたちは、また連れだって坂道を降りて最初の曲がり角で別れました。
別れ際、少年はまた、『明日来る?』と聞きました。
その時は、もう一度明日来てみたいと思ったので、「たぶん、来るよ。ありがとう!!」
と、別れましたが翌日は急用が出来てしまい行けませんでした。

もしかしたら、あの少年は、待っていてくれたかもしれません。


わたしは、木陰の坂道を登る時、少年が見せた微かな笑顔と弾んだ声が耳に心地よく残り
何だか、ちいさな心の交流が嬉しく感じて、軽やかな気持ちでペダルを踏みました。


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水色の窓とドアのある里の家。今では珍しくなった屋敷林を巡らしています。


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畑で作業する人の向こうに、里の家。懐かしさを感じる光景に自転車を止めました。



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キバナコスモスの咲く野辺でした。



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空色号も花に埋もれて…



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そして、岩蔵温泉の細い野道をと通り抜け、土壁の家の角を曲がります。



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ちいさな棚田を走り抜けると、近くの森からヒグラシの鳴く声が聞こえ始めました。



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夕映えの光が、まき散らされたように、何気ない草原が残照に輝きました。
わたしは、しばし見とれて今日一日の忘れられない出逢いを思ったのでした。

夏が過ぎ 風アザミ 誰の憧れに彷徨う
青空に残された わたしのこころは夏模様…


ふと、陽水さんの少年時代を口ずさみたくなったのでした。

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by kazematikado | 2014-09-21 11:28 | 里山 | Comments(0)
2014年 09月 17日

夏模様1

大好きな夏は、もう通り過ぎてしまいましたが、忘れ得ぬ思い出をたくさん残してくれました。
晩夏の頃は、無我夢中で、とうとう写真もアップしないままになってしまいましたけれど、
遅ればせながら駆け足で綴って行きたいと思います。

今年の夏は、わたしに素敵な出逢いを運んでくれました。
それは、Iさんこと、杣爺さんとの出逢いです。
Iさんは、吹上菖蒲園創設時からのボランティアさんで、空き地となり資材置き場と化していた
かつての休耕田を耕し菖蒲を植え付け手入れをし、今日の菖蒲園の礎を作るために泥にまみれ、
汗を流し努力されたフロンティアの方々のお一人でした。

今年のハナネコ女子会で、菖蒲園を訪れた時、"宇宙"と言う名前の菖蒲に心惹かれました。
なみちゃんとふたり、足を止め眺めていると、声をかけてくださったのがIさんでした。
ひょうひょうとして飾らないIさんの人柄に、何故か旧知のような親しみを覚えたのでした。
それもそのはず、実はわたしが以前から時々訪問していたブログの管理人さんだったのです。
偶然とは面白いものですね、きっと出逢う事が運命づけられていた必然だったのだと思います。

それから、Iさんとの交流が始まりました。Iさんのプライベートの菖蒲園に伺わせていただき
遂には、Iさんが大切に育てられた菖蒲を株分けしていただく事になりました。
わたしたちは、来年、いただいた菖蒲が花開き綺麗に咲き誇るまで、Iさんから育て方を教えて
いただきながら大切に育てることになりました。
わたしは今まで、自分の人生の中で菖蒲を育てることになるなんて思っても見なかったのですが、
とても楽しみになりました。

先日、Iさんから、こんな素敵なメールをいただきました。
そのメールにはIさんが、ご自分で交配して作り出された新しい品種の菖蒲の写真が載っていました。
ふっくらとした花弁の美しい紫色の花でした。Iさんはこの菖蒲に"杣保の朱夏"と命名されたそうです。
『ブログ風街角で、初めて出逢った素敵な言葉「朱夏」を使わせていただきました。』と書いてくださいました。
杣保とは、青梅の昔の呼び名だそうです。"杣保の朱夏"とっても素敵な名前です。

そして、Iさんはこう結ばれていました。

『花菖蒲中興の祖菖翁の「宇宙」が出逢わせてくれた猛暑の夏にふさわしい名前と思っております。
大切に育てたいと思います。来年よろしければ贈ります。』
江戸の昔に生れ菖蒲の祖と呼ばれている菖蒲翁が結んでくれたご縁、何て素敵な出逢いなんでしょう。
花菖蒲は江戸時代、武士のたしなみとして育てられ、売るものではなく親しい方や大切な方に贈るものだったそうです。
日本情緒があり気品漂う花姿の菖蒲にふさわしい逸話だと感じました。
さりげなさの中に深い教養を滲ませるIさんの言葉にわたしは感動したのでした。


7月、緑に包まれた谷戸を覗くと、麦わら帽子に地下足袋姿のIさんが、いらっしゃいました。

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Iさんに声をかけると、まるで来ることが判っていたと言うように、自然体のさりげない言葉。
額の汗をぬぐうと、眼鏡の奥の人懐っこい少年のような瞳が笑っていました。
わたしは、次の週に植え替えに訪れるお友達の事など2,3の要件を、お願いしに伺ったことなどお話ししました。

Iさんは、全て了解してくださり、後は菖蒲園に併設された万葉植物園などを案内していただきました。
ポツリ、ポツリと話される飾り気のない素朴な話し方も、時折りユーモアたっぶりに話される時の悪戯っぽい眼差しも、
ああ、この人、好きだなぁ…となんとなく自分と同じ匂いを感じるのでした。



まだ、数輪、咲き残っていた菖蒲の花を愛おしそうに見つめるIさん。名残りの菖蒲です。

<万葉植物>

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谷戸には、チダケサシの花が見頃です。



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この、固くて長い茎にチダケというキノコを刺して持ち帰ったことから、この名が付いたと教えていただきました。
花は淡いピンク色で優しげな綺麗な花です。


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ノカンゾウも綺麗に咲き出しました。やはりヤブカンゾウよりすっきりとした花姿や鮮やかな黄色の花色は、尾瀬のニッコウキスゲを思い起こさせてくれます。
この花も、朝咲いて夕にはしぼむ、一日限りの命の、一日花です。

<万葉植物>


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ピンク色の美しいナデシコの花が一輪、
『カワラナデシコなら、万葉植物なんだけれど、いまひとつピンとこないんだ。』とIさん。

<万葉植物>


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紅花、鮮やかな山吹色のこの花は草木染で紅い染料になるのは、有名ですよね。
<万葉植物>


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ハナアブが、そっと止まっていました。翅が夏の日差しに輝いて綺麗でした。

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青紫の美しい桔梗…清々しくて、穢れない輝きを放っている気がします。
秋の七草ですが、咲くのは真夏ですよね。時折り、訪れる涼風に鳴る風鈴の音
縁側のすだれ越しにみる打ち水をした庭、その片影に楚々と咲く姿が好きです。

<万葉植物>


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万葉集では、あさがおと呼ばれていて、あさがおとは、現代のアサガオではなくキキョウの事だとする説が有力なのだそうです。
わたしは、桔梗という名前も漢字も素敵だなぁと思うのですが…

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フトイ、万葉の言葉ではおおいぐさと呼ぶそうです。
緑のそよぎが美しいです。尾瀬沼畔を埋めていた、フトイの姿を思い起こしました。

<万葉植物>


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オミナエシ、この花は秋の七草の一つです。万葉集では想い花とも詠まれたそうです。
想い花とは綺麗な呼び名ですね。

<万葉植物>
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緑の葉の上に、ひとひらこぼれた花が愛らしかったです・


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河骨(こうほね)もなかなか咲かない花なのだそうです。
尾瀬にも“オゼコウホネ”というのがあって、いつも真っ白なヒツジグサの中で健気に咲いていました。





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ヒオウギは、万葉集では“ぬばたま”と詠まれました。
祇園祭の時、京都の町屋はこのヒオウギを魔除けとして生けるのだそうです。
オレンジ色のヒオウギの花を一目見た時、あっ!!この花だ!と思いました。
一昨年の夏、京都のお友だちのちかちゃんに案内していただいた時の事を思い出し懐かしくなったのでした。

<万葉植物>


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つゆ草は。万葉集では月草と呼ばれていました。初夏から晩夏の頃まで長く咲いている花で染物にも、もちいられました。月草の染料は色褪せしやすいので儚さを詠んだ歌が多いそうです。
わたしは、早朝の露を含んだつゆ草が好きです。


<万葉植物>



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ケイトウの花も万葉集に詠われていて、韓藍(からあい)という名で詠まれています。
真っ赤なビロードのような花は、真夏から初秋まで長く咲いています。


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さねかずらの実、まだごく若い実です。秋には真っ赤に実ります。
Iさんが、まだ、若いサネカズラの実をわたしの掌に載せてくれました。
こんなに小さいのに、もう実がなっていました。


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キビもアワも万葉植物だそうです。
わたしは初めて見ました。

こちらが、キビで
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こちらがアワ


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ミゾソバは、万葉植物ではないようですが、お盆の花としては有名ですね。



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ギボウシ、こちらも万葉植物ではありません。


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ほうずきの純白の花に



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情熱的な赤い実がなります。



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名前の判らない白い花



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万葉の植物がたくさん植えられている谷戸は、歩くだけで勉強になりました。
わたしはIさんにお礼を言って、万葉の花咲き誇る真夏の谷戸を後にしました。

夏模様2へ続きます。



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by kazematikado | 2014-09-17 01:01 | 里山 | Comments(6)
2014年 09月 14日

金木犀の咲く道を

鳶色の瞳に誘惑のかげり 金木犀の咲く道を 
銀色の翼の馬で駆けてく 20世紀のジャンヌ・ダークよ
君の瞳は10000ボルト 地上に降りた最後の天使

眩しすぎる朝に出逢った時の そんな心のときめきを
知らぬまにふりまき消えていった 季節はずれのミストレル
君の瞳は10000ボルト 地上に降りた最後の天使

アリスの谷村さん作詞、堀内さん作曲のこの曲を金木犀の咲く頃になると思い出します。
わたしの家の近くの街路樹は、とっても大きな金木犀の並木道なんです。
秋めいてきたある日、突然ふわっと、どこからともなく漂う甘い芳香に包まれた時、
ああ、秋なんだなぁと思います。そして、この歌を口ずさんでしまいます。

特に2番の歌詞、もう、金木犀の香りに気づいた時の気持ちそのもので素晴らしいと思ってしまいます。
ミストレルって、フランス南西部地方の言葉で、特有の強い西風のことを呼ぶのだそうです。
ミストレルはふつう冬から春に吹く季節風だそうですが、どの季節にも発生し時速90Kにもなると言います。

そう言う言葉を知っている谷村さんって素敵な方だと思います。

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そして、金木犀にはもう一つ思い出が…
子どもの頃、実家の庭には金木犀の樹があって、秋になるとこんもりと茂った緑の葉影に
たくさんの小さなオレンジ色の花を付けました。
わたしは、この匂いが大好きでしたし、地面いっぱいに散り敷いたオレンジ色のちいさな花を綺麗だなぁと思ったものでした。

ある朝、母にせがんで、この花を学校に持っていきたいと言った事がありました。
多分、小学3年生か4年生ぐらいだったと思います。
母は、この花は、持って行ってもすぐ落ちてしまうから切り花には向かないと言いましたが
それでも持っていきたいと言うわたしに、何本も切って大きな包装紙に、そっとくるんで、
上に向けて持っていくようにと言って持たせてくれました。

学校に着くと母が言った通り、花は随分零れ落ちてしまっていました。
わたしは、母の言葉は正しかったと幼心に刻んだのでした。
そして頭ごなしにダメとは言わずに持たせてくれた母の心の大きさを思ったのでした。
ほんの小さな出来事なのに、金木犀が咲くと毎年思い出すのが不思議です。
真っ白な割烹着をかけた母の姿や、その時の母の穏やかな優しい顔まで思い出すのです。

大らかな愛って大切なんだとしみじみと思います。わたしには、この大らかさが足りないなぁと
いまさらですが毎年、反省しています。そして決まって、もう一度母に逢いたくなるのです。
9月生まれのわたし、わたしが生まれた日にも金木犀は咲いていたのでしょうか?
生前、母に聞いておけば良かったなぁと思います。大変な難産で、命の危険もあった中、
わたしをこの世に産んでくれた母にもう一度、感謝の言葉を伝えたかったです。

金木犀よりも清楚で奥ゆかしい銀木犀が今年も咲き出しました。


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by kazematikado | 2014-09-14 00:55 | 日々の事 | Comments(0)
2014年 09月 09日

露けし秋は透明な紫…

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今朝、野道を行くと夜来の雨が消え残り、草木の葉の上に無数の水玉を残していました。
エノコロ草の、緑の穂がなんとなく色づいて来たように見える朝でした。



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雨が降らなくとも、風のない晴れた夜などは、秋は地表面の温度が低くなり、放射冷却となって、
それに接する大気の水蒸気が冷やされ露点以下になると水玉となって結びます。

秋も深まるとともに、夜も更けゆけば、もう露けしとなって草の葉は露を結びます。
そして、朝になり草に結んだ朝露が、陽の光に白く耀くさまを白露と言います。




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おびただしい数の朝露が、草木の葉から滴るさまは、時雨が降る感じにも似て露時雨と言います。
晩秋の頃となれば、その露も寒々しく見えることから露寒とも呼びます。

陽が高く昇れば気温も上がり、露は跡形もなく消えてしまい露の儚さを教えてくれます。
高い山では夏の間でも、気温が下がる夜から早朝にかけて、草木は秋のように露を結びます。





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わたしは、そんな露の姿が好きですし、露にまつわる季語がとても好きです。
古来の中国では、四季を色で分ける四元論という考え方があり、青春、朱夏、白秋、玄冬という
言葉が生まれたそうです。春は青、夏は朱(赤)、秋は白、冬は玄(黒)となります。
日本には錦秋という言葉があり秋は色とりどりな彩錦となりますが、わたしはやはり白秋が良いなぁと思います。




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この白は、雪のような白ではなくて、透明な白露の白だと思うのです。
そして、わたし自身の秋の色のイメージは、澄んだ空気や風の感触から透明な紫だと思うのです。
透明な紫の秋は、森の木陰や、野の縁にそっと佇んでいたりするのです。
明日の朝は、露けし野にいでて、白い秋を探しましょうか?



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そう、いつか、秋色の尾瀬で出逢った青紫のエゾリンドウ
あのエゾリンドウの蕾に結んだ透明な雫を思い出すのです。
わたしの中の秋は、透明な紫なんです。とっても静かな、静かな、白秋…



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            写真は、古い尾瀬の写真を載せてみました。

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by kazematikado | 2014-09-09 21:07 | 山と森 | Comments(6)
2014年 09月 07日

2013年 夏の記憶3

やはり、2013年度版の白刃の芝です。
奇跡的に雨が上がった庭場で最後の芝、白刃を執り行なうことが出来ました。
夕方から始まるこの芝は、光源が乏しいので庭場での撮影は難しくなります。でも、それだけに杉木立の杜での
幽玄さ、神聖さが増し、真剣を使って舞われる緊迫感とが相まって迫力満点の素晴らしい芝です。
2013年度は、下名栗きっての精鋭たちが痩身の舞を魅せてくれました。
今年、このメンバーで10月12日に横浜中区で行われる"ハロー横浜"に出演し、白刃の舞を演じてくれます。

拙い写真ですが、よろしければご覧ください。




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by kazematikado | 2014-09-07 17:26 | デジブック | Comments(0)
2014年 09月 07日

2013年 夏の記憶2

2013年版、女獅子隠しの芝です。
途中から雨になってしまい社務所内で舞われましたが、獅子舞役者も、ささらも、気持ちを新たに精一杯魅せてくれました。笛方は、雨の屋外の両サイドからステレオ効果の演奏で盛り上げました。目の前で繰り広げられる熱のこもった素晴らしい演技に拍手を贈りたいです。

女獅子を演じるのは、2009年に獅子舞役者としてデビューした獅子歴5年目の若者です。
とてもしなやかな天性の感性の持ち主で、とても努力家でもあります。将来がとても楽しみな新参獅子役者です。
彼の繊細で優美な女獅子をご覧いただけると嬉しいです。
長いDBですが、よろしければご覧ください。




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by kazematikado | 2014-09-07 17:20 | デジブック | Comments(0)
2014年 09月 07日

2013年度版 夏の記憶1

もう、過ぎた夏の記憶をいまさらですが、アップします。
2013年度版の下名栗の獅子舞の残りの3芝のなかの棹懸りという芝です。
棹懸りは、残暑厳しい晩夏の午後1番に舞われる芝で、ずっと中腰で舞い続けなければならない過酷な芝でもあります。
獅子舞を初めて3年目の者が舞う芝でもあり、新参の若獅子2名が素晴らしい舞を披露してくれました。
先輩獅子舞役者の指導の元、成長し続ける頼もしい新人たちの舞をよろしければご覧ください。



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by kazematikado | 2014-09-07 17:11 | デジブック | Comments(2)
2014年 09月 07日

風立ちぬ秋

みなさま、しばらくお休みをいただきましたが、また、綴って行けたらと思っています。

約1ヶ月足らずの事なのですが、随分長く休んでいたような気がして、何から書いていこうかと迷っています。

いつの間にか、朝晩涼やかになり、夜には虫の音が聞かれるようになりました。
毎年楽しみにしていた晩夏の花に出逢えぬまま、季節は移ろい風立ちぬ秋となりました。
先日、はたと気が付きましたが、サルスベリの線香花火のような花びらが、黒い地面に零れるように散っていました。


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『百日、紅いとかいて、百日紅(ひゃくじっこう)サルスベリとも読むのだよ。』と、
在りし日の父が、中校生だった頃のわたしに教えてくれた言葉を思い出しました。
(今なら、白いサルスベリもあることを知っていますが…)
サルスベリと言えば、鎌倉の長谷寺の境内にあった大きな樹や、飯能の能仁寺の巨木や、
名栗の鳥居観音の境内にある美しい樹形の樹など思い浮かびます。
この秩父茶屋のサルスベリの樹もそうでした。

すべすべとした滑らかで何処か艶めかしい樹肌と、しなやかに揺れる花房のふわっと驚くほど柔らかな花びらに触れた時、
なんとなくハッとさせられ父の言葉を思い出させました。
父の面影や声までも、はっきりと蘇る気がして、父の心に触れたようなそんな気持ちになるのでした。


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「お父さん、こんな時、あなたならどうしたでしょう?どんな言葉をかけてくれるのでしょうか?」
尋ねたくとも、もうあなたは居なくて、想像の中できっと、あなたならこうしたはずと考えるのでした。
父だけでなく、亡き母も同じです。きっと母なら、溢れるほどの慈愛で家族を守り、愛し抜いたことでしょう。

いつかわたしも在りし日の父母と同じ年代にと、歳を重ねていく事でしょう。
そして、わたしは、自分の子どもたちにどれだけの言葉や想いを残せるのでしょうか?
それは判らないけれど、一生懸命生きた証を残したいと思ったのでした。

風立ちぬ秋、サルスベリの思い出に寄せて…




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by kazematikado | 2014-09-07 00:13 | 日々の事 | Comments(2)