2014年 09月 09日
今朝、野道を行くと夜来の雨が消え残り、草木の葉の上に無数の水玉を残していました。 エノコロ草の、緑の穂がなんとなく色づいて来たように見える朝でした。 雨が降らなくとも、風のない晴れた夜などは、秋は地表面の温度が低くなり、放射冷却となって、 それに接する大気の水蒸気が冷やされ露点以下になると水玉となって結びます。 秋も深まるとともに、夜も更けゆけば、もう露けしとなって草の葉は露を結びます。 そして、朝になり草に結んだ朝露が、陽の光に白く耀くさまを白露と言います。 おびただしい数の朝露が、草木の葉から滴るさまは、時雨が降る感じにも似て露時雨と言います。 晩秋の頃となれば、その露も寒々しく見えることから露寒とも呼びます。 陽が高く昇れば気温も上がり、露は跡形もなく消えてしまい露の儚さを教えてくれます。 高い山では夏の間でも、気温が下がる夜から早朝にかけて、草木は秋のように露を結びます。 わたしは、そんな露の姿が好きですし、露にまつわる季語がとても好きです。 古来の中国では、四季を色で分ける四元論という考え方があり、青春、朱夏、白秋、玄冬という 言葉が生まれたそうです。春は青、夏は朱(赤)、秋は白、冬は玄(黒)となります。 日本には錦秋という言葉があり秋は色とりどりな彩錦となりますが、わたしはやはり白秋が良いなぁと思います。 この白は、雪のような白ではなくて、透明な白露の白だと思うのです。 そして、わたし自身の秋の色のイメージは、澄んだ空気や風の感触から透明な紫だと思うのです。 透明な紫の秋は、森の木陰や、野の縁にそっと佇んでいたりするのです。 明日の朝は、露けし野にいでて、白い秋を探しましょうか? そう、いつか、秋色の尾瀬で出逢った青紫のエゾリンドウ あのエゾリンドウの蕾に結んだ透明な雫を思い出すのです。 わたしの中の秋は、透明な紫なんです。とっても静かな、静かな、白秋…
by kazematikado
| 2014-09-09 21:07
| 山と森
|
アバウト
カレンダー
カテゴリ
以前の記事
2017年 10月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 フォロー中のブログ
ライフログ
その他のジャンル
最新の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||