2014年 12月 02日
安曇野さんが運転する車が日原にさしかかると。あれ~?紅葉真っ盛りじゃないじゃん(+_+) 終わりかけだけれど、紅葉が残り火のように燃える晩秋の森も美しいから、まぁ、いいかな(^^) はるかちゃんは、日原を訪れるのは初めてでしたね。 「これが、稲村岩、全て石灰岩でできている山で、日原の言わば"顏"と言えるお山だよ。 この稲村岩から続く稲村尾根は、去年登った鷹巣山へと続いているんだよ。」と説明すると 『去年、頂上からちょっとだけ覗いた、あの急坂の尾根だね。 よしころんちゃんとのぶさんが登ったコースだよね』と、はるかちゃん。 「そうそう、良く覚えていたね(^^)さすがだね。堂々とした良い岩山だよね。」 いつか、この頂上にも案内したいなぁ。鎖場とかあって、ちょっとスリリングなお山です。 今日は、平日なので日原鍾乳洞に来る観光客もまばらで駐車場も閑散としています。 土日は、鍾乳洞に入らない山登りの人の駐車は出来ないのですが、今日はフリーなようです。 ちょっと待ってみましたが、駐車場の切符を切る人の姿もありませんでした。 それでは、登山口のある一石神社の階段を登ります。 入り口にあるお地蔵さまに登山の無事をお願いして手を合わせます。 以前、わたしが金岱山のミズナラを探していた時は、金岱山は、まだ地図にも載っていない山でした。 当然、登り口も、登山コースもありません。どこかにあるはずの登山口を探して小川谷林道を彷徨ったものでした。 なかなか見つからず、痺れを切らして立ち寄った日原森林館で、職員の方に聞いてみました。 すると、一石山神社の裏手に登り口があると教えてくださいました。 『ただし、一般登山道ではないですし判りづらい道です。もし登られるならガイドに付いて登ることをお勧めします。』 と、釘を刺されました。「はい、判りました。」と、その時は登山口が判った事に感謝して帰りました。 その後、自己責任で訪れて3度目か4度目でミズナラの元に辿り着く事になるのですが…その事は内緒です。^_^; その頃、この場所に立っていたのは朽ちかけて文字の消えかけた道標でした。 日原には燕岩と籠岩という、オーバーハング気味にそそり立つ巨大岩壁があります。 その手前側の大岩燕岩の下を巻いていく斜度のキツイ道が登山道でした。 登り口はこんな感じ 木々の間越しに見下ろす、鍾乳洞周辺の名残りの紅葉も綺麗です。 でも、直にアキレス腱がピキっと伸びっぱなしになるくらいの急登になります。 下を向いて登っていると足元の落ち葉が輝きを放ちます。わたしは誘惑に勝てずにパチリと撮ります。 綺麗なレモンイエローやオレンジ色のカジカエデの葉 ザクザクと落ち葉を踏みながら、ところどころに石段の名残りがある道を辿ります。 向かいの山肌に聳える梵天岩の、尖った尖塔を眺めつつ登ります。 何時しか燕岩が近づきました。 かなり上まで登ってきました。 メグスリノキとイロハモミジ、ハウチワカエデ、イヌシデの共演です。 コハウチワカエデ ハウチワカエデ クマシデ メグスリノキ イロハカエデ ヤマモミジ(オレンジ色の大きな葉) 森の中に横たわる倒木さえ美しい ごつごつとした岩場が増えて来て、そろそろ燕岩の露頭に到着です。 さあ、急登を登り切れば、尾根に出ます。 はるかちゃん、良く頑張りました。 安曇野さんもお疲れ様、さぁ、お昼にしましょう♪ 燕岩の露頭側にちょっと入った辺りで、ランチとなりました(*^_^*) 唯一の展望 ミズナラの黄葉が綺麗です。 ここが、一石山山頂です。 どなたかが作ったワイルドな山名板。いいですね!! この一石山から県境尾根へと続くタワ尾根の始りです。 日原で紅葉が最も美しいと言われるタワ尾根、なかなか紅葉ドンピシャは難しいけれど 晩秋の良き日に、こうして、再び訪れる事が出来たことが嬉しいです。 倒木更新と言う言葉がある、地面に落ちた種から芽生える実生は、なかなか育つのが難しい。 それは、周りの木々や、下草たちに遮られ日光を受けることが出来ずに枯死してしまうことが多いから。 しかし、朽ちた倒木の上に芽生えた芽は、下草などに遮られることもなく日照権が得られる。 倒木からも養分を取り込むことが出来るし、倒木に生えた苔によって保水も得られる。 やがて養分としての役割を終えた古木は朽ちてなくなり、あとには「根上がり」という、 その礎とした木の形そのままに地面から浮き上がった根が残る。 こんな「根上がり」の痕跡を残した木をわたしが最初に見たのも、この日原の森でした。 そんなどうでも良い講釈などを語りつつ、落ち葉サクサクの尾根道を辿ります。 落ち葉のために踏み後は、ほんの微かなものになっているので、ルートを見失わないように 周りの地形を把握しながら登ることが肝要です。 わぁ、一面、樺色のホウの葉が敷き詰められています。 ホウの葉ってやっぱり好きだなぁと思いカメラを向けました。 この辺りから、ミズナラやブナの巨木をいくつも見るようになります。 そして、自然淘汰の倒木も数多くみられます。 青空に名残の紅葉が綺麗です。 「さぁ、ソロソロ着きますよ。どこを歩いても大丈夫だから、このまま進んで行ってみてね。」 はるかちゃんに最初に巨樹を見つけた時の感動を味わってほしくて、先頭歩きを交代しました。 安曇野さんは、枯葉を蹴散らして歩くのが楽しいらしく、満面の笑みを浮かべています。 自然の中に身を置けば、誰もが心が浄化され、童心に帰って行くのだと思いました。 『あっ!?あれかなぁ…?』とはるかちゃん。 『うん、そうなんじゃないか!でっかいなぁ~!!』と安曇野さん。 そうです。金岱山のミズナラです。昨年夏に2本あった片方の大枝を自ら落としてしまいました。 大きく前のめりに巨体を預けた樹形を保ち続けるには、重力に逆らう大きな力を必要としたことでしょう。 その事は大きく張った根や、背筋が発達した逞しい幹が物語っていましたが、やはり2本の大枝を 維持するのは大変だったのでしょうね。バランスの悪い方の大枝を落としたのでした。 このままでは、ミズナラ自身も倒伏しかねないと言うことで生を懸けた選択だったのです。 このミズナラの名物だった、眼とも耳とも口とも取れる独特の瘤も一緒に折れてしまいました。 樹形に魅力が無くなったと、訪れる人が減ったと聞きます。 3.11以降、落石の危険があると言うことで、小川谷からの巨樹コースの新道が閉鎖され、 今日歩いたキツイ旧道を行かなければならなくなったたことも原因と思いますが… わたしには、変わらない威風堂々とした姿に見えます。 だれも訪れる人のいない静かな森の中で佇み続けるミズナラに思わず体を預けてみました。 梢は、たくさんの葉が黄葉していて、ミズナラの勢いが旺盛なことが判ります。 良かった!!良かった!!あなたが元気でわたしは嬉しいよ。 はるかちゃんも、触れてみます。 安曇野さんも触れてみます。 背中から見るとまるで巨大な像のようです。 落ちた枝さえこの太さです。 二人の姿と比べれば、その大きさが判りますよね。 金岱山のミズナラのそばには、このミズナラの子か孫でしょうか? ユニークな瘤を持ったミズナラがいます。DNAを受け継いでいるのかな? 日原の守り人の一葉さんが見付けて名づけた『ナラ太朗』今日は微笑んでいました(^^) ミズナラの佇む広場は何とも気持ちの良い広場なのでした。 わたしたちは、少し小高い丘まで登りミズナラを眺めました。 斜面に横たわるいくつもの倒木もまた美しいです。 巨樹の根元に辿り着いた一枚の赤い葉 背中の溝に降り積もった枯れ葉たち 午後2時を過ぎた森は急速に光を失っていきます。 さあ、帰りましょうか。黄昏と競争ね。 金岱山のミズナラ…あなたに逢えて良かったです。 また来ます。きっと、また逢いに来ます。どうぞ元気でいてくださいネ。 森を駆け足で降りて行きます。 林床の落ち葉を一瞬の光が照らしました。 名残りの紅葉が美しい こころから美しいと思う。 岩ゴロの難所は突破したし、急坂も降りて来ました。あとは降りるだけ。 笑顔がこぼれます。お疲れ様もう少しね。 向かいの山肌は美しい紅葉みたいです。 4時少し前、一石神社に降りて来ました。 お地蔵さまに無事行ってきました。お守りくださってありがとうございますとご報告しました。 はるかちゃん、遠い所を遊びに来てくれてどうもありがとう。 急に行き先変更しちゃったけれど一緒に金岱山のミズナラに逢いに行けて良かったです。 次回は、三頭山に必ずご案内しますので、また遊びに来てくださいネ(*^_^*) そして、安曇野さん運転お疲れ様でした。一緒に金岱山に登れて良かったです。ありがとう(*^_^*)
by kazematikado
| 2014-12-02 16:44
| 山と森
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