ラピュタ写真部、3回目は海沢渓谷に滝の写真を撮りに行く事にしました。
5月6日 GW真っただ中、風薫る季節です。
最初、行きだけタクシーを使って時間を節約しようと思ったのですが、
奥多摩駅前にたった一台だけ、派遣されているタクシーは、なんと奥多摩湖の最奥にあるの鴨沢の
さらに奥にある小袖までの先客ありでした。きっと雲取山に登る登山者でしょう。
GW中は交通状況も混むので帰りの時間が読めず、何時に戻れるか判らないとの事でした。
そこで、閃きました。奥多摩に新しく出来たレンタサイクルを利用したらどうかな?
まめちゃんも、ずうたくんも、面白そう!!と賛成してくれたので即、決まりました。
すぐに、レンタサイクルショップに向かうと、ちょうどオーナーさんが開店準備をされていました。
笑顔が爽やかでとても感じが良い方で、まだ開店前だと言うのにお店を開けてくださいました。
それぞれ、電動アシスト付きの自転車とヘルメットをレンタルして丁寧な説明も受けました。
サイクルショップ脇の坂道で、自転車の練習もさせていただき、準備万端で、いよいよ出発です。
オーナーさんや店員さんたちに見送られ、奥多摩街道の裏道を漕ぎ出せば、スイスイと快適です。
わぁ~!!風が気持ちいい!! 何だか凄く楽しい!!とご機嫌なポタリング開始です。
先頭 しずく姐さん 二番目 まめちゃん しんがりはずうたくん!!
三人のポタリング姿、誰かに撮ってもらいたいくらい~♪
ネジレノ滝(海沢三滝)
空がこんなに青いんです。緑も一段と濃くなりました。
途中、水面に映る緑が綺麗で思わず木陰に自転車を止めました。
『わ~!!!綺麗~!!!こんなの見た事ないです~♪』
と、まめちゃんもずうたくんも喜んでくれました。
水面のとろりとしたグリーンが何とも言えません。
まめちゃんが提唱するとろみ写真、いいよね~♪
今は盛りのヒメレンゲを入れて撮りました。
海沢隧道、短いけれど通る時はいつも、ドキドキします。
このトンネルって、まるで別世界へと繋がっているんじゃないかとそんな気がします。
わたしは、やっぱりクモの巣の七色の光を撮るのが好きなんです。
見えないものが見えてくる、そんな光のマジックにいつも感動しちゃいます。
レンタルサイクルショップのオーナーさんが『けっこう激坂ですよ!!』と言っていたけど、
ほんと、電動アシスト付きで良かったと思えるくらい結構な上り坂が続きます。
でも、ラピュタ写真部は、冒険心いっぱいの子どもみたい。後ろを振り返れば
ここ、5年ほど自転車乗ってないかも~!って言っていたまめちゃんも果敢に挑んでいますよ。
途中にある高井戸の滝で、ちょっと一休み。
二段の美しい滝ですが、林道からは川を挟んで対岸にあるので、
これからの季節緑に覆われて気付かないで通り過ぎてしまうかもです。
海沢園地に着きました。木陰に自転車を止めて、GO!!!
入り口のサワグルミの巨樹が、枝をいっぱいに広げて迎えてくれます。
こちらはチドリノキの新葉ががキラキラと輝きます。
一葉だけれど、楓の仲間です。下がっているのは花です。
さやさやと風にそよいで手招きしているみたい。
流れに架かる丸太の橋を渡って、山道へと入って行きます。
せせらぎの音がポコポコと、春を歌っています。
早春の頃のハナネコノメやスミレたちは花期を終えてここも、金色のヒメレンゲが岩を染めます。
流れは酸素を含んだ白波が陽射しに輝いています。
春だなぁって…写真ばかり撮っていて先へ進みません。
岩に生えた苔の緑が鮮やかになって来ました。
静まった水面は水鏡、頭上の緑が映りこみます。
木洩れ日は屈折しながら水に沈んで、水底の落ち葉を輝かせます。
新葉を覆っていた苞は、まるで花びらのように美しくて
はらはらと、散って、なぜかしらわたしは心惹かれます。
結葉(むすびば)…って美しい言葉を知ったのはいつの頃だったでしょう。
春先になって枝先に若葉が繁ると葉と葉とが重なって結ばれるように見えることをいうんだよ。
結葉の季節になると、そんな言葉を思い出します。
カツラの樹の根元には春の名残りのコチャルメラソウが実を付けていました。
『へぇ!!コチャルメラソウは、こんな風になるんですか!!』とずうたさんが撮っています。
こちらはウワバミソウ、水辺に咲くこの草も、今頃の季節は瑞々しくって美しいです。
ほら木洩れ日が、ひっそりと降りて来ましたよ。東北地方でミズって呼ばれる山菜でしょうか?
ザアザアと水の流れる音が大きくなって、三つ釜の滝が現れます。
三段になって流れ落ち、それぞれに3つの釜があるので三つ釜の滝です。
岩に生えた苔の緑に、真っ白な絹のような流れが美しいです。
見上げれば、木々の若葉が美しくて思わず深呼吸
大木の雨露に生えたシダが、滝壺から吹く風にあおられて絶え間なく揺れています。
森の営みって、ひそやかだけど力強い
木々の緑のグラデーションは山肌を駆け上って行く
それぞれ思い思いに写真を撮るラピュタ写真部。写真を愛する者同士の、こういうのが良いよね。
わたしは、やっぱりこういうのが好きです。
葉っぱの上でかくれんぼしているのは誰かしら?
青空にさやさやと…
水面の縞々、光の帯が愛おしい
さざれ石のような水底
チドリノキの花房
滝の落ち口って気になりますよね。
ここは、滝の脇の登山道を登れば、上部の釜が見られます。
神秘的な青い色が何とも美しいです。
三つ釜の滝の最上部の釜、そしてその先にはまた川があり…
急な階段を降りて、さらに回り込んで洞窟のような大岩の中に
轟々と滝音を轟かせ、狭い岩肌を滑り降りる滝があるのです。
九の字に曲がるネジレノ滝です。
折しも、暑い雲が切れて一瞬の陽射しが照らしだしました。
一瞬、陽射しが動きます。
深い岩の裂け目の奥深くまで、光が回りました。
苔生した岩肌に反響する滝音、滴る水滴、澄んだ滝壺、聞こえるのは水の音だけ
滝の裏側の岩場を、ハナネコノメの葉がびっしりと覆っています。
気付いたのは随分前なのだけれど、いまだに花の時季に訪れたことがないのです。
今は、緑色に変わったハナネコノメの花がポツンと残っていました。
来年こそは、花の時季に来てみたいナと思うのです。
緑の雫が絶え間なくしたたり落ちて、いつの間にかびっしょりと濡れてしまいます。
どこからか、桜の花びらが…
わたしたちは、深山の懐の滝を後にしました。
空を映して
せせらぎが歌う、この空間が美しいです。
写真に夢中だったわたしたち、ここで、お昼にしましょう。お腹がすきました(^^)
美しい釜を見下ろしながら…
木の根の階段を降りて、急階段を注意深く降りて行きました。
帰り道、面白いものを発見、流れに刻まれたのか不思議な文様の残る大岩
その大岩の下に無数のつっかえ棒が…だけど、どう考えてもこの棒で岩を支えているとは思えない。
誰かの悪戯なのかしら?ユニークだね(笑)
帰り道は、ずっとくだりだから、自転車で快適に疾走してあっという間に山から下りてきました。
ねえ!! わたしたち、風になってる~♪
そしてここで本日のサプライズです。
実は、FBの繋がりでずうたさんのお友だちのNさんと、わたしもお友だちだったのです。
Nさんは、海沢の古民家にお住まいだと伺っていました。そこでサプライズ。
ずうたさんは、Nさんのお住まいを知りません。ずうたさんには内緒でNさんにご連絡して
伺わせていただく手はずを取りました。Nさんも快く引き受けてくださいました。
帰り道、本日一番の急坂を登り切ったところにあるNさん宅を訪問しました。
チャンと言う名前の、とても人懐っこいワンちゃんが迎えてくれました。
この激坂の上のお宅で、Nさんはご自分で改築を続け、畑を耕したりしながらの暮らしぶり
自然に根差した何だか自由でゆる~い時間が流れているようで、素敵でした。
快活なNさんの話しぶり、ずうたくんとの旧交を温めながらの会話は楽しくて
わたしと、まめちゃんも、自然にその会話に混ぜてもらっていつの間にか溶け込んでました。
お仕事をしながらのDIYだから、休日に少しづつ進めていらっしゃるそうです。
たまには、チャンちゃんを連れて山歩きや、白丸湖でカヌーも楽しまれるとか。
スローライフ、素敵です!!
ニワトリたちが放し飼いになっていたり、畑には美しい麦の穂が風に揺れていたり
ラピュタ写真部の今日のラピュタは、Nさんのお宅かも知れないなぁと思ったのでした。
そして、Nさんは、今朝ほどのレンタサイクルのオーナーさんともお友だちだったのだそうで、
何だか今朝の奥多摩駅での最初の時から見えない糸で繋がっていたみたいで、不思議でした。
Nさん、素敵なサプライスをありがとうございました(^^)
わたしたちが、自転車を返しに伺うと、オーナーさんは用事がありお留守でした。
でも、こんなメモを残してくださっていて、そのお人柄にほのぼのしたのでした。
三回目のラピュタ写真部、今回はちょっとハードでしたけど、思い出深い一日になりました。
まめちゃん、ずうたくん、大変お疲れ様でした。そして楽しい一日をありがとうございました。